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by murkhasya-garva
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炎のジプシーブラス 地図にない村から

5日ぶりです。遅くなりました。
「炎のジプシー・ブラス 地図にない村から」
炎のジプシーブラス 地図にない村から_b0068787_18165526.jpg去る1月28日のオールナイト、「<ジプシーの音楽、そしてガトリフ=ロマ=クストリッツァ>ナイト」の1本目。
地図にもない村、列車も通り過ぎるような村、ゼチェ・プラジーニ。ヘンリはこの村に惚れ込み、彼らの奏でる音楽に夢中になる。この音楽を各国の人々に聴かせたい、その思いが村人をツアーへと導く…


劇映画かと思ってみていたら、どうやらドキュメンタリーのようです。ヤマもオチも特にありませんが、いつも流れる音楽が観る者を惹きつけて離しません。のどかな村で生まれた陽気な音楽。彼らの生活の中心を音楽が占めているのです。

ツアーを行えば今までの貧しさから脱出できる。その理由で世界を駆け回っている、という言い方をすればまるでビジネスのようで無味乾燥な印象を受けそうです。しかし彼ら、ジプシーと呼ばれる人々には生活と音楽が不可分となっている印象を受けます。
生きることは、奏でること。…いや、もっと強い情熱なのかもしれません。その勢いは、今まで観た音楽映画の中で最も激しく、「生命の躍動」という形容がよく似合う。

ルーマニア、スペイン、東京…たくさんの国々で演奏する彼らの顔がいつも生き生きとしているのが胸を打ちます。そして東京で行われる異文化のセッションとも言うべきシーン。あれは感動的です。

彼らの生活を手放しで羨んでいるのではないのです。冬は雪に閉ざされ、村内での協力がなければ生活もままならない、そんな貧しさと隣り合わせに生きる人々が生活の糧として用いたのが、彼らの魂=「音楽」であったということが何ともロマンチックに感じられるんです。まあ異国情緒というとさらに無責任っぽいですが。

音楽に愛以上の感情を抱く人々。
今回のオールナイトの1本目は、ジプシーの音楽に生きる人々の現実をあくまで陽気に描き出したものでした。次は2本目を書きます。異文化との出会いをテーマにした感動作。
by murkhasya-garva | 2006-02-22 18:17 | 映画