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by murkhasya-garva
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<   2005年 09月 ( 11 )   > この月の画像一覧

四月の雪

「四月の雪」
b0068787_0413981.jpg照明監督を務めるインス(ペ・ヨンジュン)は妻が事故にあったと聞き病院に駆けつけると、一人の女性が同じ場所で、夫の容態を案じていた。女性の名はソヨン(ソン・イェジン)。お互いの配偶者が同じ車に乗っていたと聞き、二人はその事実に苦悩する。



「冬のソナタ」で韓流ブームの火付けとなったペ・ヨンジュンが主演というのが目玉のようです。しかもそのヨンさまが不倫です。純愛の次は不倫。どんな世界に連れていってくれるのでしょうか。

非っ常に私事で申し訳ないのですが、実はナイトショーをやるのでシネコンに行ったんです。「ランド・オブ・ザ・デッド」を観に。そしたら金曜はやってないって言うじゃない!! でもそこでスゴスゴ帰るのも癪なので「四月の雪」にした訳です。期待していたB級アクションの恨みは大きく、何でこの作品にしたんだーとか考えてむすくれておったそうです。
でも映画を観るとき余計なことを考えてるとちゃんと観れないから、心を入れ替えて観ることにしました。よかったね(何が?)。

で、初めの展開は良かったです。順当にストーリーが広がるところじゃないでしょうか。互いの配偶者が巻き込んだ故人の家に行くとこまではいい感じです。
インスとソヨンのラブ路線の予兆が不自然なくらいにおう所とか、展開にかける時間が遅いような気がするのはありますが。ベタベタな展開は苦手です。「互いに惹かれあっていく…」とかいいからさ。そのくせ遅々として進まんのもどうなんでしょう。

遅々として進まないのはともかく、あっという間にべッドシーン。ちょっと早くね?と思うけど別に「結ばれる」ことを最終目的にしない彼らには順当な展開なのかもしれません。
「どこに行きますか?」「どこに行きましょうか?」が彼らの合言葉です。
やーそれにしても何故に会話がガチガチなんだろう。ぎこちない二人の距離を表してるのかな。ああいうのがロマンチックなのかな。

そんな二人の不倫関係がいつまでも続くわけがありません。「四月の雪」だし。ベタベタ。そのまま終わるのかと思いきや、こんな御都合主義のエンディングってあり?! なるほど「四月」に「雪」を降らせることは二人の再開を象徴しているのか。もともと出会うことのない二つが、偶然のいたずらで儚い間ながらも出会うってことでしょう。ロマンチックな要素有り、かあ。
それにしても、こりゃないよな。これってひどすぎるぜ。

これは誰が観る映画なのか。
少なくとも韓国映画の魅力を伝える作品ではないと思います。それならキム・ギドク監督の復讐3部作のほうがよほどいいです。純愛ブームの再燃に一役買っている、と言うわけでもない。確かにバリエーションの一つだけどそれでも出来がお粗末。つまり、これは今の韓国の旬の俳優を味わうための映画なんです。二人ともナイスバディだし。
言い過ぎましたが、映像は要所要所でうっとりさせてくれます。俳優たちがひときわ輝く要素じゃないでしょうか。
俳優を観たい人は観ればいい。オススメはしません。
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by murkhasya-garva | 2005-09-30 00:50 | 映画

ワンダーランド

「ワンダーランド」
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70年代アメリカで、ポルノ王としてその名を轟かせたジョン・ホームズ(ヴァル・キルマー)。その名声に翳りが見え始めた頃、彼は犯罪史に残る残虐な未解決事件「ワンダーランド殺人事件」の容疑者として逮捕された。実際の事件の顛末を綴る、彼と彼を信じ続けた2人の女性の物語。



この作品に使われる音楽も映像も好きなんだけど、いざ作品全体を通してみると…何だかビミョ~なんです。ストーリーがグッと来ないというか、内容がかなり薄いというか。まず登場人物が多くて序盤はどうなってんのかよく分からなかった。ほんとによく分からないんです。後々になってやっと分かるような設定にしてるんだけど。よく分からないまま、登場人物はめいめいに事件に関して事件の記憶を語りだす。そしてめんどくさいのが、その記憶の証言がいちいち映像化されること。各人の証言の修正に修正を加えて、真実にたどり着く・・・という寸法なんです。

難しいことはないんですが、ちょいややこしい。ポルノ王が出てくる割には、彼には「真実を語る者」としての役割しかない。ヤクにハマるけどもどうもそんな雰囲気が出ない。彼自身については確かに、二人の女性とのドラマが繰り広げられるけど、事件の謎解きを比べたらインパクトが薄くないですか?

「私はあなたの女よ」と言う少女(ケイト・ボスワース)、「もう私の人生に入り込まないで」と言う妻(リサ・クドロー)。サングラスを外したら案外かわいい顔して締まらないヴァル・キルマー。この3人の絡みは印象的だったんですけどね。どうも事件に比重がかかってるような気がして…。事件がらみの役者は逆にすごい存在感があった。特にエディ・ナッシュ(エリック・ボゴシアン)は、設定もさながら、あのだみ声で話されると迫力がある。

さんざん映像効果とスタイリッシュな音楽で引っぱっておきながら、あまりにもあっけない幕切れ。後日談をプロットで流された日にゃなんだか哀しくなってしまいます。もっと内容濃くてもいいだろ?と思ってしまいました。でも雰囲気を楽しむにはいいかな。

ヤク中の感覚にどっぷりハマりたいなら「レクイエム・フォー・ドリーム」がオススメだし、同系の時間感覚を味わいたいなら「ユージュアル・サスペクツ」や「メメント」がいい。ヤク中同士の争いなら「パーティ・モンスター」もいいかも。。
激しくはオススメできない1本。ビデオで借りるレベルかなあ。
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by murkhasya-garva | 2005-09-27 01:57 | 映画
「愛についてのキンゼイ・レポート」
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放映前からその内容についてちょっとした話題を呼んだ作品。性について語ることがタブーとされていた時代に、自身の旺盛な探究心でセックスの研究を続け、半生を捧げた者の物語。




性の問題は今でこそ比較的オープンに語られるようになったとはいえ、現在の社会問題でも未だに特別なカテゴリーをもって迎えられがちです。しかし1940年代という旧態依然とした時代、キンゼイ博士はまさに急進的にセックスについて研究を続け、世に問うたそうです。
びっくりしました。ここまでやれるもんなのか、と。

性についてアメリカ人成人18000人に実態調査を行うのですが、その過程でオーラルセックス、同性愛、獣姦、婚外交渉など、様々なセックスの形態の研究もやるんですね。今ではそれほど驚くことではないんだけど、当時セックスについて語ることすらタブーとされていた時代に、これを研究の立場からやるというのは相当の勇気がいったことでしょう。

何度も繰り返すようですが、性は今も昔も、一般常識、倫理、宗教など多くの立場から特に制約を受ける問題になります。だからこそ当時は、性はほとんど冷静に語られることなく、いわゆる「迷信」が平気でまかり通っていたのかもしれません。マスターベーションが健康をひどく害する、だとか・・・。

「キンゼイ報告」は全米に非常な驚きを持って迎え入れられ、そして、猛烈なバッシングを受けることになります。それは、彼の研究が革新的であるとともに、セックスを肉体的な面からのみ把握することに違和感があったからじゃないでしょうか。彼に同性愛を教えたマーティンのキンゼイへの台詞が印象的です。

しかし彼は純粋に、知りたい、という気持ちから研究を行っていることが伺われるシーンがあります。女性の苦しみを知るために自分の包皮に穴を開ける…どうかしている、と思う人はいるだろうけど、何が彼をそこまで駆り立てたのかを考えると理由は明らかです。彼を支えていたのはあくなき探究心だったんじゃないか。言ってみれば変人、なんだろうけど、そんな姿は感動にもつながります。

キンゼイ役はリーアム・ニーソン。それぞれの役柄が、性というタブーに果敢に挑む人々の一種の"危うさ"を作り出せています。伝記でこんな作品が観れる、それはヒトラーなど既に一般的な像が出来上がった人物について映すのとはまた意味が違います。少なくとも僕は、この作品では、キンゼイという人物を身近な問題をきっかけにして知る「驚き」がありました。一種の偉人伝でもあるんでしょうね。
観る価値はある。映画としてもいい出来だと思います。
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by murkhasya-garva | 2005-09-23 01:13 | 映画

ヒトラー 最期の12日間

「ヒトラー 最期の12日間」  *オフィシャルブログ
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敗戦直前のヒトラーを描いた作品。今まで表舞台ではナチスドイツの傲然たる独裁者として描写されていたが、本作品では1人の人間としての脆さを抱えた姿が描かれる。
ヒトラー役はブルーノ・ガンツ。



そこまで残虐なシーンがあるわけでもない。しかし、観客に何かしら大きなショックを与えるのはなぜだろうか。ドイツが陥落するのは火を見るより明らかなのに、かたくなに徹底抗戦を主張するヒトラー。自分の戦略、指導力、カリスマ性は未だに衰えていないものと信じて。
地下の要塞で顔を真っ赤にし、部下を前に「私は総統だぞ!!」と声を限りに怒鳴る姿が哀しい。

敗色濃厚なのを肌に感じながらも、秘書であるトラウドゥル・ユンゲ(アレクサンドラ・マリア・ララ)の周りの者は、なぜか現実に目を向けようとしない。日がな酒に溺れる兵士。パーティーに興ずる同僚の秘書。死の直前に結婚式を行うヒトラー。この先確実に悲劇が起こる、皆そう分っていたからこそ、その不安、恐怖、絶望に耐えられなかったのだろう。
現に同僚の秘書は、不自然なほどにはしゃいでいたし、パーティーの最中に爆弾が放り込まれたときの人々は、現実の悪夢から必死に逃げようとする憐れな姿となる。

この作品の特色は何といっても、これが実話だということ。そこにはストーリーの選択肢など存在しない。「あの時こうだったら・・・」という発想はいとも簡単に崩れ去るのである。
それは、フィルムが突きつける「必然性」が、観客がすでに"ヒトラーの最期"という事実を知っている、ということに根拠を持つからである。また、映画で切り取られた12日間は、実際にほぼ確実に起こらざるを得ない状況にまで追い詰められていたからでもあろう。

むろん、ヒトラーの所業を1人の追い詰められた人間の行為だといって肯定するわけではない。彼の最期の日々のカリスマ性、もとい狂気のため共に死をたどった者もいるし、何人もの人々が生きるにせよ死ぬにせよ犠牲となった。淡々と描き出しているからこそ、悲劇は人々の心に深く何かを突き刺していく。

家族を犠牲にしろ、と言われた将校は泣きながらヒトラーの意に従う。隣で見ていた雲水らしき人は嗚咽を漏らしていた。
あの狂信的なナチだったゲッベルスも、粛々とヒトラーに従うのにどうしても人間臭さが拭いきれないところ、その妻が自分の6人の子を次々と殺していくところ、見ていて息が詰まりそうになる。

確かに155分は長い。観たのが午前中だったので例のごとく寝そうになったが、あの作品で寝るのはどうかな、と。後半は特に凄惨を極める。悲劇をたどるしかない人々の姿を、しっかりと見て欲しい。そして、最期に老いたトラウドゥル・ユンゲ本人が言う言葉に耳を傾けて欲しい。
「若いことは理由にはならない。しっかりと目を見開いていれば・・・」
彼女の言葉は、打ちのめされる私に強烈な止めを刺していった。
観るべき。少しでも気を引かれたらぜひ観れ。
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by murkhasya-garva | 2005-09-21 01:35 | 映画
「1.0 【ワン・ポイント・オー】」英字版オフィシャルサイト(!!)
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プログラマーであるサイモン(ジェレミー・シスト)のもとに差出人不明の空の小包が送られてくる。隣の住人の仕業かと疑うが、彼らは次々と変死を遂げていく・・・
設定上は近未来のはずなのに、舞台となるアパートが、雰囲気といい撮影される際の色調といい古めかしくて煤けている。住人は揃って奇妙で、作品の異様さがより際立つ。

こういうマイナー映画はやっぱり好きな人にしか評価されることは無いんじゃないだろうかと思います。陰鬱とした雰囲気、または奇妙で生理的嫌悪感をかきたてるような細かい表現。過去に観たのは、例えば「ユージュアル・サスペクツ」「メメント」「ドット・ジ・アイ」「サスペクト・ゼロ」「SAW」など。
静かで、複雑で、苛立たしげなストーリーが意外な結末へと観客を導くような感覚。
メジャー映画ばかり観ていると、このノリについていけなくなります。この作品はその最たるものじゃないかと。決して絶賛されるわけでもなく、一部の人が好評する。かく言うぼくもこの作品には観た直後に「おいおいこれで終わりかよ!」とツッコみそうになりました。

隣人と接触し、どこかに違和感を見つける。ナノマイトと名づけられるテクノロジー。わが子のように扱われる首だけのロボット。大量に買い込まれた肉。コーラ。牛乳。もうこの時点で、何なんだ?という雰囲気がプンプンするわけです。伏線が張られて、興味をそそります。
しかしそこで退屈に感じるとすれば、あまりにも静かな映像のせいでしょう。

ストーリーが進むにつれて、謎は解明されていく…訳でもありません。その作品を構成する世界観を感じるために様々な伏線が存在するようです。相も変わらず空の小包が送り続けられ、それと同時に異常さを増すサイモン。疑心暗鬼に陥り、強迫観念に取り付かれたような彼は、自分の世界に存在するのは"自分だけ"のようになる。この表現は適当かな。
当然と思っていることが、実は誰かの意図によって操作されているとしたら・・・?という解釈もありでしょうか。あまりに情報が少ないと解釈も多様になってしまいそうです。

というかですね、設定や結末といった情報の不完全さに見ているほうはジリジリするし、結局最後までこの作品が何だったのかという疑問が頭を離れません。それは一種の'不条理世界'を感じさせるのに一役買っていると思いますが。奇妙で、陰気で、湿っぽくて、建物の中で感じる外圧的な恐怖…無機質なザラザラした感じが終始くっついてきます。
頭ごなしに「意味分からん!」といってしまえばそれまでです。しかし、観客がどういう姿勢で映画を見るかで評価は分かれるんじゃないでしょうか。いったい映画はどういう風に観ればいいのか。(少なくともこの作品で観る側が映画に全てを委ねてたら痛い目にあいそうです)インディペンデント系映画はそのレベルまで掘り下げさせられる機会を与えます。
ある意味、少し覚悟して観に行ったほうがいい。観たければ観ればいい。
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by murkhasya-garva | 2005-09-16 16:01 | 映画
「スターウォーズ エピソード3」
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観てきたのはいいんだけど感想を書くだけに留めておいたほうがいいんじゃなかろか・・・。というのもスターウォーズの情報量多すぎ!!
ええ、映画がこれで6作目で終わりだということは知ってます。9.11以来アメリカを中心に各国間の関係が悪化している現在、7作目以降を作るのは適当ではないとジョージ・ルーカス監督は判断したとか何とか。ともかくこの長大なサーガはアナキン・スカイウォーカーとルーク・スカイウォーカーの親子の物語という体裁で幕を閉じたわけですね。
しっかし! スターウォーズは映画作品だけにとどまりません。作品をより楽しむためにガイドブックが発売されるだけでなく、ゲーム、グッズ、そして7~9作目も小説化されました。
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他にも、カートゥーンネットワーク提携によるエピソード2と3の間の挿話、もとい「橋渡し」として「クローン大戦」をアニメにて発表。エピソード3と4の間も各1時間、全100話でテレビ放送されるとルーカス監督は発表したそうです。又聞きですが。すごいねまったく。
(参照…RiXXさんのブログ「:: escape ::」)





さて本作品ですが、前作と前々作が一部で酷評を受けていたので、今回ももしかして・・・とあまり期待しないで行った訳なんですが、普通に面白かったんです。
これは作品の前後をちゃんと説明してないとかそんな細かいことにほとんど目がいかないワタクシの無知ゆえの特権なのか、はたまた実際に好評の作品だったのか。
たしかに細かい設定は良く分かりませんでした。
グリーバス将軍が始終咳き込んでいるのはなぜ?に始まってライトセーバーの技術が全作品中かつてなく高度のような気がするんですが?とか。あと用語の説明がほとんどないのでちょっとな~とか。まあ色々と。

でもそれ以上に魅せる映画ですね~。今回は前作のつながりを感じさせるだけでなく、エピソード4以降につながる伏線でいっぱい。アナキンがオビ=ワンに「お前を憎む!!」と叫ぶところは迫力あったなあ。後半は特に伏線に焦点が当てられて、観ていてぞくぞくします。
戦闘シーンも芸が細かい。
グリーバス将軍がやたらすごく見える。ヨーダが強すぎる。

それにしても、ジェダイの存在って民主主義をうたう世界にほんとにかみ合わない雰囲気出してるよな。中枢で強い決定権を持っているのに、それが政治に絡むとすごい不自然。

b0068787_0451118.jpg一番目立ったのがメイス・ウィンドゥ。警察権もって現れたり、手を切られてあんなに慌てられるたりすると、ああいうのがジェダイなのかよ…と思うわけです。
言うたらオビ=ワンも人間くさすぎだし。
コード66が発令されてからのジェダイのやられっぷりもあっさりすぎ。そんなに弱いのかよ。

その中でやっぱりマスター・ヨーダは群を抜いて強い。賢い。確かにアナキンを留められなかったけど、彼の活躍は目を見張るものがある。
もー、ジェダイって何か誰か教えてくれ! なんであんなに違和感があるん?

疑問は数多くわくけど、さすがに最後の作品だけあって密度が濃い作品になっていると思います。ストーリーのはしょりすぎが少し気になるけど。かなり<相当<とても面白かった。
ともかく文句を言うのはスターウォーズ関係の資料を読み込んでからにしようと思います。
観るだけの価値は十分にあり。
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by murkhasya-garva | 2005-09-14 00:53 | 映画

樹の海

やっと「スターウォーズ エピソード3」を観てきました。けど「NANA」と合わせで観てきたのがあるのでそっちから。

「樹の海」
b0068787_9252625.jpg2004年に東京国際映画祭の日本映画・ある視点部門で作品賞・特別賞を受賞という鳴り物付きで現れたこの作品では、富士の樹海を舞台に「死」に向かい合う人々の話が4編綴られる。富士の樹海が自殺の名所だというのはあまりに有名。キャストに井川遥、萩原聖人、津田寛治、大杉漣、塩見三省などを迎える。


死が物語の中で織り込まれる作品は数限りなくありますが、これは死を主題にしたもの。人は間接的、直接的に死に向かい合うとき何を感じ、思うのか。もっぱら他者との語らい、関係を重視し、ひいては生について考えるものとなっています。

金融業者のタツヤ(池内博之)は、顧客の1人で全てを失い、樹海へ向かった今日子(小嶺麗奈)を追うが、その姿に自分を重ね合わせ、携帯電話に向かって語り続ける。/樹海へ捨てられた朝倉(萩原聖人)は死体となった田中(田村泰二郎)に話しかけ、死に行く者に思いをはせる。/三枝(塩見三省)は自殺者と生前関わりがあったと思しき山田(津田寛治)と、彼女の自殺の理由を、そして人の生き死にについて考えをめぐらす。
過去から逃れ静かに日々を送る映子(井川遥)はあるきっかけで過去の傷がよみがえり、樹海へ向かう。死を選んだ彼女は何を見るのか。

受賞作だけあって、この作品の抱える問題の深刻さは相当なものがあります。なぜ樹海へ向かうのか、生きるとはどういうことなのか。そして他者との関わりは人に何をもたらすのか。徹底的にそのあたりをいぶりだす点は圧巻でもあります。どんな人間にも死は訪れる。だからこそ誰もが必然的に何かを考えざるを得ないんでしょう。

また初め3編は「語る」ことに主眼が置かれています。死への思いを明るみに出すとき、人との語りは有効な方法となります。萩原聖人が死体にまで話しているとき、あんな環境では死体とも話したくなってしまうんだろうな、と思うと同時に、人はそうまでして語らなければいけないのか…とも感じてしまいました。それは人という存在の業(ごう)のようなものなんでしょうか。

ただ、この作品、どうも納得行かないところがある。逆に言うと映画なのになんでそんなに語ってるの?という疑問。池内博之のときもそうですが、延々と語られると、映像よりも台詞に意識が行ってしまう。しかも途中で聞こえづらくなるし。だめやん。それ以降2編もひたすら語られると思うと・・・ちょっとうんざりしますね。くどいというか。映画らしくないというか。また同じパターンかよ、なんて思うわけです。新感覚、新しい視点といえばそれまでなんでしょうが、ちょっとその構成に疑問を持ってしまいます。退屈。

またキャラ作りも何人か、??な人がいます。特に若い人。その場の環境(樹海のこと)だけでしか人柄が入ってないんでしょうか。個人のバックグラウンドがあんまり感じられないんです。特にチョイ役の小山田サユリなんて・・・もっと頑張れよ。ショートストーリーだからこそキャラ作りは際立ってくるんじゃ? 逆にベテランの人は堂に入ったもんです。塩見三省×津田寛治は良かった。
大杉漣も脇役だったのにいい味出してましたね~。井川遥もよかったな。

見ている最中はそっちに引っかかりっぱなしで、あ~あとか思ってアクビばっかりしてました。言ってしまえば、そもそも映画化する必要性のない映画だったと思うんですけど。舞台で十分じゃん。でも、ストーリーは相当特色あります。
生死を考えるにはヒントになるかも。興味があればどうぞ。強くオススメしないけど。
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by murkhasya-garva | 2005-09-10 09:25 | 映画

NANA

マンガつながりで言うとこんなのも観てきました。

「NANA」
b0068787_10162257.jpg矢沢あいの同名作品の映画化。クッキーで連載中。去年は「下弦の月」が映画化。少女マンガでは矢沢あいが今最も話題のようですがぼく自身少女マンガをあまり読まなくて、「NANA」も読んでません。冒頭のタイトルが出てくる部分で今更ながら、あー読んどけばよかった~! と一瞬激しく後悔しました。


20才を機に彼を追って上京した小松奈々。旅先で知り合った大崎ナナと意気投合し、偶然にも同じ部屋で生活することになる。小松奈々の回想という形でつづられる二人の物語。

初めは思いっきり主観でそんなに期待できないかなーとか思っていましたが、他のサイトの感想を読んでもなぜか皆「よかった」とか「オススメ!」と書いているので興味をそそられて観に行ったんです。
良かった。ええ正直に言います。感動した~。

気持ちの話ですが、ごく自然に作品の中に溶け込めるんですね。感情移入できない映画は、観ていて腰が落ち着かなくなったり、俳優の演技が鼻についたりするとストーリーそっちのけで気になったりしてしまうもんです。
たしかに中島美嘉、宮崎あおいという役者がこの作品のキャラにあっているのか、という点で違和感を感じる人はいるんでしょうし、実際に宮崎あおいの演技が引っかかるのか、予告編でこんな役やんの?!と自分自身が既に抵抗持っていたというか心配だったのは本当です。ちょっとイタいかな…とか。今まで観たのが「害虫」とか「ラブドガン」ですからね。そりゃね。
中島美嘉も「偶然にも最悪な少年」で存在感の濃い役をやっていましたが、あの少々地で演じるような彼女ががどこまでできるか、と不安でしたが、そんな心配は要らなかったようです。
現実世界で、時代的にも同じ等身大の人間を演じる、というのは予想以上にしっくりくるものなんですね。何よりも中島美嘉も似た経歴だというのが大きいのか。

実際に映画では二人のキャラは世界観を物語るのに十分な力があります。中島美嘉のまっすぐな演技、宮崎あおいの明るく快活な雰囲気。音楽もいい。優しい気持ちを呼び起こすような穏やかな挿入曲もはまってしまうのに一役買っています。バンドの音楽も良かった。大崎ナナが中島美嘉だったのは大正解、ってことでしょうか。

ストーリーの進め方に無理がないし、上手いから、グイグイ引っ張られていきます。恋愛も友情も本当にいい見せ場を作ってくれる。彼を追って上京した小松奈々は、彼が心が離れていくのを目の当たりにし、大崎ナナは自分の孤独を埋めるかのように、蓮(松田龍平)を想い続ける。正反対な性格の二人なのに、お互いのことを気遣い、補い合う・・・。いいなあ。
他のキャラの扱いも繊細です。みんな真剣でまっすぐな気持ちを伝え合い、相手を思いやる。そこに抑圧され、歪んだ心がない。大うけする少女マンガは、大方ここが魅力なんでしょうね。なんというか、世界や心の上澄みを違和感なく描き出されるところが。
原作の良さをそのまま映画に出すことのできた作品だといわれます。いい映画です。

キャストにも注目しておきたいですね。少し前に観た「恋の門」や「青い春」にも出た松田龍平。「逆境ナイン」で熱演をかましてくれた玉山鉄二(彼がどこで出てくるのかスタッフロールでやっと分かったんですが…)、「溺れる魚」や「今、会いに行きます」(テレビ)に出た成宮寛貴、などなど・・・それぞれが役柄にしっくりとはまっているんだ。驚きです。

原作見てなくても十分楽しめます。見に行くべき。マンガはその後でもいいんじゃないの?
こういう世界はなんだか、もうたまらなくなりますね。色んな意味で。
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by murkhasya-garva | 2005-09-09 10:18 | 映画
夏に観ておきたい映画のジャンルにアニメが忍び込んでまいりました。基本的にマンガ派なので映画化するとどうだとか、自分的にアニメを映画で見に行くってどうなのよなどと器の狭いことを言ってみたりしますが、そういうのは取り合えずおいといて、楽しみの幅を広げよう!というのが今回の主眼なのです(今決めた)。

「劇場版 ツバサ・クロニクル 鳥カゴの国の姫君
/劇場版 XXXHOLIC 真夏の夜の夢」


少年マガジン、ヤングマガジンの両誌で連載している同名作品の映画化。原作はマンガ家集団のCLAMP。「ツバサ・クロニクル」はNHK教育で放映されているそうです。
この二作品は並行世界でリンクしあっているというのがミソでして、実際にマンガが連載され始めたのも期を同じくしています。その設定がなかなか面白いので毎週読んでいるんですが、映画もオリジナルストーリーながらちゃんとリンクしていますし、またどういう世界観なのかを知るにはもってこいなんじゃないでしょうか。


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「ツバサ・クロニクル」。サクラの"記憶の羽根"を探すため、小狼(シャオラン)たちが飛び込んだのは鳥カゴに覆われた国だった。



これ1本に割かれている時間はたったの34分。短すぎです。ごく当然のようにストーリーは刈り込まれ、残ったものを見るとやっぱり少し物足りない。細かい設定についての観客の「なぜ?」に十分答えられるほどの余裕がないのです。台詞や映像にヒントらしきものが散りばめられてはいるんですけどね。
真っ先に思うのが、「何で小狼は厄介事に顔をわざわざ突っ込むのか」でしょうか。
ほかにも「人間鍵ってどういうことや」とか「モコナが軽くうざったい」とかw

キャラの心情描写や観る側のツッコミの躱しもままなりませんが、ストーリーの展開から見ても寓話的な感じがあって興味深いです。原作と比べて声優を含め、違和感がないのが救いです。原作もこんな感じで進んでいるんだということを知ってもらうには十分意義があると思いますよ。色々言いますが面白くないというわけではありません。念のため。


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「XXXHOLIC」。四月一日(わたぬき)がバイトする侑子の店に、鍵を持った女性が「自分の家に入れない」とやってきた。





こっちはアニメにするとどうなるのか想像がつかなかった。「ツバサ~」とは異なった世界観、雰囲気、台詞回し。映画で見ると細長い手足がやけに目立つ。主人公の四月一日の細長い手足が必要以上に回ったり、関東圏に見る危ういツッコミを見て何度となくヒヤヒヤしたが、あれはあれで後々ストーリーにしっくり来るものです。よかったよかった。

自分の持つ感覚を映像化するという点でとても印象的です。得体の知れないものに押しつぶされ、心の歪みが体をも歪ませる。そして大事なのはタイトルにもなっている「HOLIC」の意味、でしょうか。ストーリー全体のミソになっているのに注目です。
こっちは60分使っているだけあってどんな雰囲気かというのを伝える以上に、細かい所についても説明できてます。ストーリーが一貫性を持っているというのもいいですね。個人的には「ツバサ~」よりもこっちのほうが面白いと思いました。
興味ある人はどうぞ。
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by murkhasya-garva | 2005-09-07 11:54 | 映画

マルチュク青春通り

9月に入ってまず観てきたのは・・・

「マルチュク青春通り」
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前回に観たときの主演、クォン・サンウが高校生を演じます。2年生で転校してきたヒョンス(クォン・サンウ)。血の気の多い友の中で、高校生活を送る。と同時に女子高に通うウンジュ(ハン・ガイン)に恋をするが。





脇役に、「恋する神父」のクォン・サンウの悪友で出たキム・イングォンがいます。1年留年した、こすいはみ出し者みたいな役。。とはいってもこの人も上手いです。「恋する~」のあっけらかんとした役柄と打って変わって、偉そうにしているのにどこか卑屈さが漂う…というのはうがち過ぎかな。

ヒョンスの友人のウシクを演じたイ・ジョンジンもストーリーに大きく絡んできます。彼の男前も手伝って、女好きや喧嘩っ早い性格が良く演じられてます。何というか、高校が舞台の映画は、青春が主題に絡むときに良い作品が出るんですかね。最近では「リンダ リンダ リンダ」、「パッチギ!」、「スウィングガールズ」、「スクール・ウォーズ」などなど。実際に経験してきた道だからこそ、作り、演じるのにリアリティが滲んでくるのかもしれません。

「恋する~」と比べると、あの身悶えするような青臭さはないんですが、その代わりに若者、特に男子高校生に特有のエネルギーの遣り所のなさといったものが感じられます。そのくせ、好きな相手にはモジモジ…な様子は見ていてかわいらしくもあるんですが。
その恋やケンカを経てヒョンスが成長していくのが印象的です。決して叶うわけではない想い、割り切れない気持ち…そんなのもない交ぜになって成長していく。ほろ苦いなあ。

その相手のハン・ガインもかわいい。あれ?なんだか昔の彼女に似てるような気が……気のせいです。違和感のない顔立ちしてるんですよね。屋上で外を眺める姿でピンときたんですが、妻夫木聡に何となく似てないですか?
また、ヒロインなのにラストであの扱いはな~とも思うけど、原題(「マルチュク通り残酷史」だそうです)に沿っている気がします。

他の注目どころは、屋上のケンカですか。個人的にはあの緊張感がイイ!!と思いました。あそこまでやると抵抗あるようですが、ヘタに効果音入れて何とかするよりもよほど臨場感があり、また爆発する気持ちが伝わってきます。
でも、意外にググッと感情移入とまでは行かないんですね。何故だろう。「リンダ リンダ リンダ」の方がきましたよ。

ストーリーが比較的シンプルだということもあって、まさに「青春」という言葉を表現した佳品じゃないかと。日本だと、最近のような細かな気持ちの揺れを表す山下敦弘のと違って、もっと昔に見たような雰囲気があります。ヤンキーが主人公になるギリギリの時代。
「パッチギ!」が好きならこれも面白いんじゃないかと思いますよ。どうでしょう。
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by murkhasya-garva | 2005-09-05 11:53 | 映画