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by murkhasya-garva
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もう機を逸しているような気もしますが、今回は2本分の感想のみで行きます。

「真夜中の弥次さん喜多さん」
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個人的なマイナーもの好きも手伝ってかこの作品、好きな部類には入るんですが、これを1本目に持ってくるのは、ちょっとな~!?という感じの作品です。あまりに笑いのテンポが、悪ノリに近いんでしょうね。もちろん悪ノリではないんでしょう。
笑っていたらいつの間にかシリアスな雰囲気になっていたり、特に喜多さんのヤクでイった精神状態、過去のトラウマなんてある意味見ものだったりします。とはいっても後半はおおよそシリアスなテーマに持っていかれてしまうので強制的にトーンダウンするんですが。

でも、しりあがり寿も宮藤官九郎も天才だと思う。前半のノリ騒ぎの演出には、思わず吹き出してしまうところは満載です。中村七之助、長瀬智也の「てやんでえ!」「べらんめえ!」の掛け合いにしても、追っかけの「おひけえなすってッ」にしても。ああいう軽いノリの笑いも好感が持てます。
後半ではしりあがり寿の死生観がいい感じに仕上がっています。三途の川のくだりは感動しました。あんな考え方する人もいるもんだなあ・・・ただ魂がみんな荒川良々だってのはやだ。あの顔で「あんたぁ~」なんて言われてもぐっとこねえや。

ビジュアルも演出も、独特の雰囲気を持っていて監督の才能を感じさせるんですが、こりゃあ皆が言うように賛否両論分かれますわ。この雰囲気についてこれる人はいいんですが・・・。


「エターナル・サンシャイン」
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オフィシャルブログ
オフィシャルサイト(英字)


全米で大絶賛を受けたというこの作品。ストーリー仕立てはいたってシンプルなんですが、その特殊な設定のもと、垣間見られる人の心の揺らぎが繊細に描かれていて、感動の余韻を残してくれる良い作品だと思いました。
主演は「マスク」で一躍有名になったジム・キャリー。その後も何作かコメディを作っているものの、ある時期からヒューマンコメディに移っているようです。それからは興味を失って全然観なくなってたけど、これはいい。切なさが残るんですね。

ジム・キャリー演じるジョエルは、内気で無口な青年。一見、これがあのジム・キャリー?と目を疑ってしまいました。ジョエルが別れた恋人の記憶から自分の存在を消されたと知ってショックを受け、自分も記憶を消してもらおうとするんですが、後になって自分の記憶の中で必死に彼女を消されないようにあがく姿、記憶に残った彼女との逃避行は胸に迫ります。
せめて心の中の彼女は失いたくない。なんとも泣けるじゃないですか。愛する相手が自分の中で美化されているとはいえ、それを失うのは辛いことです。昔見たようなオーバーアクションはありませんが、雰囲気が伝わってきます。

それを取り巻くラクーナ社の社員のはしゃぎっぷりや、人間模様もなかなか興味深いものです。SF的な設定なのにこういうリアルなシーンが織り込まれることで現実感がぐっと増します。イライジャ・ウッド演じるパトリックもあざといキャラでいい感じになっています。
ラストははっきり締めるでなく、おおよそ観客が分かっているだろう結末を想像に任せる、という方法が感動させます。やっぱラストあたりが一番好きですね。崩れる家で、クレメンタインが残す最後の台詞とか。なかなか抜け目のない作品だと思いました。
もう一回見て感動をもう一度味わいたいと思わせます。オススメできます。

*今回「エターナル~」の公式サイトは発見できませんでした。出会い系サイトに乗っ取られているような感じ。何だこれ。
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by murkhasya-garva | 2005-08-29 00:32 | 映画

風邪でオールナイトとは

このネタは既出ですが・・・
今日中に映画の感想は書きます。ご容赦を。

去る8月20日に京都みなみ会館で上映されたオールナイト「真夜中のラブ・スパイラル」。
あろうことか私、それまでの生活の不摂生+同居人の風邪をうつされるという事態に陥り、刻々と上がる熱を押して見に行ったものだから、悪寒がするわ感覚は究極に鈍磨するわ、、、およそ映画見るための万全の体制とはいえない、つまり最悪の状態でいたのです。
咳こそしなかったけど隣の人は風邪うつされなかったでしょうか。

周りが笑いそうなところで笑えない、という感覚は案外つらいものです。逆になんで笑ってんだよ、と腹立ってきますからね。しかも書き文字がまったく頭に入ってこない。おつむがふやふやになっていたみたい。ですがその代わりに別の感覚が研ぎ澄まされるような気がしました。

キャラのちょっとした表情の変化が何故か目につくんですね。何かのシーンで次にそのキャラが映るだろう、というところでだいたい想像がつくというか。そんなの誰でもできるのかもしれませんが。とにかくそれだけが強烈に印象に残るんです。健康なときは、次のシーンに向けて気が行ってしまっているものなんですが、そういう妙な感覚が結構長い間続きますと、前のシーンのイメージと前の前のシーンのイメージとが今のシーンのイメージと重層的にかぶってくる、というか。うまく言えないんですけど、そんな感じなんです。

他の刺激に理解できなくなってしまった以上、結果的に赤ん坊のように人の表情にしか意識が向かなくなった、という面白いことになってしまったんでしょう。
風邪引いて約8時間ぶっ通しでいるのは面白いどころか拷問ですが。帰るときなんて常に吐き気と戦っていなければいけませんでした。約二日寝込んだというオチです。
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by murkhasya-garva | 2005-08-28 12:41 | 映画

ケス KES

次は「恋する神父」の後に観たもの。

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「ケス」
1969年にイギリスのTV演出家、ケン・ローチが作った作品。当時は「少年と鷹」というタイトルでTV放映されたのみだが、1996年に劇場で初公開されたものだそうです。



ケスとは主人公の少年ビリーが飼った鷹の名前。ビリーは貧しい家庭環境で育ち、学校でもいい扱いを受けない。そんな少年はハヤブサの巣を見つけ、雛を育てようとする・・・

主人公のデイヴィッド・ブラッドリーがいい役してます。こんな子役もいたもんだ。作品中の雰囲気を出すのに一役買ってます。遠くを見るようなまなざし、やせた体躯、額の深い皺…

特に西欧の映画は過去のものに多いんですが、何というか、詩のような雰囲気があります。それは、最近の映画にありがちな、ダイナミックなアクションや場面転換、奇をてらうストーリー回しとは一線を画したものです。むしろ作品の中で一貫して何かを伝えよう、とすることに集中していて、他の要素にテーマがかすんでしまうこともないようです。

この作品は英国映画協会が「14歳までに見ておきたい映画」に選出してます。(元ネタ)やはり少年のうちに何かを感じ取って欲しい、という意図で選んだのかもしれません。
他に選出された作品は、最近のもので言えば「千と千尋の神隠し」「ET」「トイ・ストーリー」などが有名ですね。感動する作品、見ていて元気になる作品が並ぶ中でこの作品が入るのはなぜでしょう。

あまりにあっけない幕切れ、放って置かれたような気にすらなるエンディングは、決して上に挙げた作品のように、感動させようというのが本来の目的ではないように思います。
労働者階級のお世辞にも恵まれたとはいえない少年が日々の生活に押されながらも、唯一の没頭できることに自分の“生きがい”みたいなものを感じる姿を克明に描き出すのですが、それはあまりに現実的な深刻さを持ち、少年の哀しみが淡々と感じられてくるのです。
数多くの映画の中でこれがその一本に選ばれた理由も何となく分かるような気がします。でもこれは年を取ってから観てみるのもまた、感慨深いものがあるんじゃないかと。

こう書いてしまうと、ひたすら暗い作品のように思われそうですが、体育の授業のサッカーのシーンはユニークでもあります。
最近の映画に疲れた方はこんなのを見てみるのもいいかな、と。
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by murkhasya-garva | 2005-08-26 02:15 | 映画

恋する神父

「恋する神父」
b0068787_2575744.jpg韓流ブームの一環として観に行ったと考えてください。そんな一環なかったくせにな。
もう期待して…はいないけど、時間を持て余してそうな、暇があれば韓国のナイスガイを見ていたさそうな(失礼)、マダムで9割を占めていました。多くが2人連れで来ておられました。

あとは何だかよく分からない人たち。もちろん僕も含みます。こちらはなぜか皆単体なんですよね~

主演はクォン・サンウ。ここエキサイトブログでも「マルチュク青春通り」の公式ブログやってますね。あの映画の主役でもあります。
映画紹介には「今回はキュートな青年を演じる」だとか書いてあります。一体何をキュートといっているのか分かりませんが。そんなにキュートな容貌なのかと思ってましたが、キャラがキュートなようです。

一生を神に捧げると誓ったギュシク(クォン・サンウ)は、神父になる儀式を前に悪友ソンダル(キム・イングォン)のお陰で大失敗をし、罰を受けることになる。田舎に送られた2人はアメリカ帰りのボンヒ(ハ・ジウォン)と出会うが・・・

クォン演じるギュシクのオタオタっぷりがもう小っ恥ずかしくて見ていられないほど。そんなに緊張することないじゃないですか。あややそれはカッコ付けているんですか?(汗)
前半はギュシクのカタブツ振りとボンヒの奔放さの対比が楽しめます。
後半の話の進め方も分かりやすくていい。ソンダルの変化がギュシクの迷いを際立たせていたりして、見ていて感情移入しやすいのではないでしょうか。
全体的にも見ていて楽しく、何の苦労もせずに見ることができます。

基本的に韓国の恋愛ものは今まで見た数は少ないですがとても分かりやすく、好感を持ちやすい。それはストーリーそのものの単純さもあるし、俳優のわっかりやすいまでのアクション、感情表現がそうさせているのかも知れません。そして大方は大団円なんです。これは重要。
日本の恋愛ものはオリジナリティを迫られるせいか、バッドエンドもよくあります。我が目を疑うようなどんでん返しだとかもあるでしょう。

そんなのが殆どない韓国の恋愛映画は、だから少し高めの年齢層に受ける。これは「冬のソナタ」の時にも言われていたことです。そこで、有り得ない設定でも恋愛ムードが優勢であれば、結構ハマったりするのです。若い世代にはその安直さが逆に受けなかったり、いわゆる「古臭さ」が嫌がられてしまうのでしょうが。
良くも悪くも、これがかつての恋愛ものの王道なのか?と思ってしまいます。

あと、キリスト教を舞台にしている点でどんな展開をするかも気になっていました。
さすがに安全策をとりましたね。信仰心の高まりも一応描き出してますし、冒涜するような箇所は特にないと思います。とはいえ大衆向けの恋愛ものですからね・・・大目に見てください。
観ても損した気にはなりません。どうぞ。
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by murkhasya-garva | 2005-08-25 03:00 | 映画

昼寝の夢

映画のネタでなくってすみません。
風邪引いてるもんでなかなか調子が戻らないんです。回復したら書き始めるんでそのときはよろしく~

今日は夢の話。さっき見た昼寝の夢。
今朝早朝に夢の中で走ったことがある(ような気がする)田舎の大きい車道。
そのときは自分で車を運転して目的地(自宅?町?ともかく行きなれたなじみの場所)まで着いたのだが、今回は母と弟と私の3人で出かけている。運転は弟がしている。
母は横で「ねえこの道で大丈夫なの?」と聞くが私はもう既に通ったので「ああ大丈夫、着くから」と答える。

しかしこの道は何度か曲がって下った先には道に半分ほどを土の塊がゴロゴロとしていて何やら工事中らしいことになっている。
母は「ほらやっぱり通れないじゃない」などと言う。「だから通れるって」と私は弟にその岩山の端(道の中央より左より)を越えさせる。
しかし越えた途中、下りの部分で白いトラックが抜けきれずに突っ込んでいる。私たちの車もちょうど土砂とトラックの間に挟まってしまう。
「もう何やってるのよ!」「まあ戻るだけの余裕はあるんだから不幸中の幸いだって」
「何が幸いよ!!」

(ここですでに誰が運転しているのか分からなくなっている)
一旦バックして超えなおすと母がUターンしようとする。
「おいおい何やってるんだ!!こっちに行くんだろ」
「この人を引っ張り出して元の場所まで送るのよ」
トラックの中からぼそぼそと小さな声で「ありがとうございます」。
余計なこと言って。無碍において行けないじゃねえか・・・

目が覚めた。
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by murkhasya-garva | 2005-08-22 16:40 |
そして先週の3本立ての最後には、トンデモナイ作品が。

「フォービデン・ゾーン」
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何と。ご存じない方が多い。こんなにぶっ飛んでて笑いっぱなしの映画もないですよあなた!!
実はこれ、最近できた映画ではありません。1980年にアメリカで初公開、レイトショーという場に現れました。今で言うレイトショーとは違うようで、いわゆる一般的な映画とは違う超個性的な映画を提供するものでした。
ミッドナイト・シネマ、ミニシアター映画、アングラ作品、色々と呼ばれるようですが、確かにそう言われるような作品が次々と世に送られてきました。
最近この近くでリバイバルされたのといえば、
「ファスター・プッシーキャット キル!キル!」(1965)や「ナック」(1965)、「ロッキー・ホラー・ショー」(1975)があります。これもレイトショーの流れを受け継ぐものなんだそうです。これらが上映されたのは、今はなき東一条チャオ!シネマ。あそこは古いのやミニシアター系のをよくやってたなあ。
こんな流れがあるなんて知らないんだもん。ヒヨらないで見に行けばよかったっっ…!!!

監督はかつてオインゴ・ボインゴというグループをやっていたリチャード・エルフマン。音楽は今やメジャー作品の音楽を数多く手がけているダニー・エルフマン。
オインゴ・ボインゴといったら、バンド名しょっちゅう使う荒木飛呂彦が「ジョジョの奇妙な冒険」第三部で、クヌム神とトト神のスタンドを操るオインゴ・ボインゴ兄弟を登場させたでしょ!

ともかく! こんなナンセンス映画を観ることができて僕は幸せです。
低予算の映画だけあってチープ感バリバリ出してますが、そのはっちゃけっぷりといったら。
何故か家の中に6次元の世界に通じる入り口があって、とっ捕まったり助けに行ったり。絵と映像をまぜて使い、役者は体張ってバカをやり、ナンセンスを描き出すわけです。
音楽も映像に上手くかみ合ってて、とてもリズミカル。役者は内容が内容なだけにダイナミックなパフォーマンス。わざとらしいという言葉は出てくるはずもありません。
主人公は小学生?位の役なのに思い切り年齢不詳だし。すっごいフランス訛りだし。主人公の兄の方が絶対じいちゃんより年取ってるし。

まあまあ。あまりに面白いのでネタバレするのが惜しいです。
こんなに下らなくて笑わせてくれるのは初めてかもしれません。「チーム★アメリカ」よりもすごいかも知れない。方向性は違うんだけどね。
「一瞬のダレ場もなく~」とは言いますが、少し後半からダレるかもしれません。疲れてしまわないように、ちゃんと栄養と睡眠は取ってから観てください。一つ一つのシーンが面白いです。寝ていてはもったいない!!
しかも観るんならやっぱり大画面がいい。音量大きめでガッツリ観てください。
ミルクマン斉藤氏は「ツボに入れば2度3度、いや100回200回見返さずにはいられない最強/最凶の中毒性」と評します。そのとおりです。
どツボに入りました。少しでも興味のある諸君、是非観るんだ!!!
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by murkhasya-garva | 2005-08-20 03:11 | 映画

リンダ リンダ リンダ

「リンダ リンダ リンダ」
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これ観てると、高校時代に自分がどれだけ何もやってなかったのかとか、こんな感覚味わってたよな~とかいうのがガンガン思い出されてちょっとダメージ食らった。
(後半は暴走気味だったけど・・・)
そう思わせるだけ真に迫っているというか。すごいです。
のっけからアレですが、観るべし。爽快感とともに映画館を出られること請け合い。

監督は「ばかのハコ舟」、「リアリズムの宿」を作った山下敦弘。
「リアリズム~」は、顔も見たことない若者二人がひょんなことで連れ立って旅に出るという話。当然顔も知らないもの同士だから・・・ユニークなのと同時に、ああ分かる分かる、というのが混在する作品です。これもオススメ。面白いですよ。
そう、若者の揺れ動く微妙な感性を上手く表現するいい監督です。

本編:女子高生のバンドが何かややこしいことになって、ブルーハーツを歌おうということになる。ボーカルはなんだかノリで決まった韓国からの留学生。学祭で演奏するべく練習を続ける。。。

「ローレライ」で出た香椎由宇が出ます。華があるよなー。
留学生のソン役は以前に紹介した「復讐者に憐れみを」で主人公との幼なじみ役ででも出たペ・ドゥナ。他にも「ほえる犬は噛まない」「子猫をお願い」も有名でしょう。
初めっからやられました。前回も書いたけど、高校生が持つであろう微妙な心情がよく出ているんです。なんだか晴れない、自分の気持ちをはっきりと言えない。高校の頃はこんなだったよな~、と思い出してしまいました。

そんな彼らの中に新鮮な空気を運んでくれるのはソン(ペ・ドゥナ)なんですね。
自分の思いに素直になること。「好きって言えばいい」。当たり前のことなのに、分かっていることなのに日本の子はその言葉に後押しされちゃうんです。
ソンの素直な気持ち、見てて心地よさが伝わってくるようです。
そして歌う姿もカッコいいんだ。歌が彼女の思いを更に引き出してくれる。全身全霊で歌う・・・あんな光景見たら思わずノってしまうって。

他の人たちもいいキャラ出してます。風が抜けるような清々しさの山崎優子。優しさが滲み出る声の湯川潮音。言葉少なながらも真剣味のある関根史織。笑顔がなんだかくすぐられる前田亜季。もう他にも作中を引き立ててくれる俳優が揃っています。
皆でこの映画の空気をうま~く作り上げてる。イイ!!観るべし!!星5つ!!!
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by murkhasya-garva | 2005-08-18 00:43 | 映画

L'amant ラマン

あっついですね。最近関西では雨が降り、微妙に気温が下がってくれてるのでありがたい。
一昨日にミニシアターで3本立てをかましてきましたので今回はその1本。

「L'amant ラマン」
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原作は、やまだないとの同名のコミック(双葉社刊)。
やまだないとは聞いたことあるんだけど読んだことはありません。
京都みなみ会館ではわずか一週間しか放映しないというから行ったんです。
こ、これは観に行かねば・・・。  要するにビョウキですね。
ともかく、いつもは前情報見ないで映画に行くんですが、今回はどういうことか公式サイトを覗いてから行ってしまいました。少し後悔。

17歳の誕生日を迎え、少女は3人の男と1年間の愛人の契約を結んだ。
男たちは少女を華子と呼び、少女は3人をA、B、Cと呼ぶ。
彼らと時間を共にしていくことで、いつしか少女は変化していく・・・

少女役には安藤希、3人の男は大杉漣、村上淳、田口トモロヲというベテランの面々。
だというのに・・・
前半は、”・・・おれはVシネマを観に来たのか?”という不安が頭を離れませんでした。音楽のない無表情な静寂。ぼそぼそと、棒読みに話す俳優たち。ことある毎に大写しになる登場人物。そしてのっけから性描写かよ!! 大杉漣めウォウウォウ言いよって・・・。
昔連れて行ってもらった映画館で見た、ダメくさいピンク映画とイメージがかぶる…
すごくあせった。こんなノリが続いたら本当に帰ろうかと思った。

でもそれ以降は段々と物語の流れが見えてきます。
男たちの持つ孤独。少女の抱える空しさ。
少女のナレーションでも言われていましたが、花火のシーンがなぜかグッときます。
孤独を抱えた者たちが集まって、静かに花火を見上げるとき、Polarisの「光と影」が流れ、なぜか泣きそうな気分にさせられるのです。

虫かごに入れたセミの死。
なぜか少女に近づくクラスメイト。
クラスメイトの弟との出会い。(この弟、どういうわけか名前が柄谷行人...)
「私、このままでいたい・・・」
象徴的な描写とともに彼女の変化が描かれます。

そして1年たった18歳の誕生日に、彼らはある場所へと出向く・・・

感動した、という程ではない。
あの淡々としすぎた時間は少し物足りない感じがしたし、設定が非現実的というのが没入しにくい一因であるようです。
ついていけないと言えばついていけないのですが、雰囲気が宮崎あおい主演の「害虫」に似ているような気がします。「ラマン」の方が分かりやすいと思いますが。
「害虫」に比べると、「ラマン」の方が登場人物の心情描写がよく描かれているような気が…

”少女”の心の変化、観比べてみてください。
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by murkhasya-garva | 2005-08-14 16:05 | 映画

星になった少年

では3、4日前に観た映画を。
「星になった少年」
b0068787_033170.jpg「誰も知らない」カンヌ主演男優賞を獲得した柳楽優弥が受賞後の初主演となる映画。
今回も前情報なしで行ってきましたが、良かったなあ。
予告編は対象年齢が低いのばっかりで不安になったのですが、観ていて素直に気持ちが良く、胸に迫る作品でした。



自分たちの食いぶちを切り詰めてでも、たくさんの動物たちを世話する奇特な両親に育てられた坂本哲夢。ある日ゾウが我が家の動物園にやってきた。人目で象に見せられ、ゾウ使いになることを志す。ゾウと心を通わせ、「ゾウの楽園」を作る夢を追っていたが・・・

父親役に高橋克美、母親役に常盤貴子。どちらも演技が細やかな印象を受けた。
作業着姿がけっこう似合う。カツラを外した高橋克美が本当に良く似合います。よく画面上でおちゃらけているが、我が子と心を素直に通わせない苛立ち、あせりを演じる姿もしっくりくる。感情が爆発したりして。何というか、ちょっと垢抜けない顔立ち、格好がそう思わせるんでしょうか。

常盤貴子も、髪を乱して化粧を薄めにするだけでいい雰囲気。マイペースなのに子の心配はしっかりする少し神経質な性格が伝わってきます。最後の号泣は、わざとらしい?と一瞬思ったけど胸に迫ってきますね~。

そして柳楽優弥。相変わらず目の力が強い。振り返って母をにらむ。まっすぐゾウを見つめる。顔立ちも関係するんでしょうが、彼のたたずまいが雰囲気をかもし出しているようです。


思いが伝わらない、そのもどかしさをどう表現するか。
「誰も知らない」の時の監督のインタビューでも言っていましたが、その微妙な身振り、しぐさ、表情で伝えるというんですね。本作品では言葉は多めに使っているけど、やっぱり立ち居振る舞いはネックになっていると思います。

逆に外国人ではその微妙なニュアンスが日本人相手には伝わりにくい。そこでタイではむしろはっきり言葉を使って気持ちを表現するようにしていた感じがしました。ゾウ学校の生徒の明るい笑い声、そこには裏表がない。最後の別れも、わざわざ1人ずつ手を振ってもらうというこの気持ちのよさ!!

過ぎた時代の流行も押さえているようです。遊園地では「♪ダイヤモンドだね~」なんて流れてくるし、常盤貴子のソバージュだとか、蒼井優の服装に髪型に・・・。別に細かいとこまでは言いません。

あ、そうそう、映画をずっと流れている音楽がすごく印象的です。一瞬どこかで聞いたようなフレーズ、でも映画の雰囲気を良く汲んでいる。まさかとは思いましたが、坂本龍一が作曲していました。彼は「トニー滝谷」でも音楽を担当しています。映像にあう音楽を楽しむというのも今回おすすめですわ。

細やかな気持ちの表現が胸にしみます。わざとらしさも計画のうち、小学生から大人まで、夢を追う姿をじっくりと観るべし。
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by murkhasya-garva | 2005-08-10 00:11 | 映画

空の華、地の魚

今夜は蝉の鳴かないとても静かな夜。
蝉がいないだけでこんなに安らかな夜になる。
この夏は通り雨が多く、気付くと激しく地を打ち据え、また次の瞬間にはその足跡を残して去っている。

今日は大阪は十三の花火大会に行ってきた。
溢れかえるまでの人だかり。知人が特上席を取っているというので行ったのだが、余りの人の多さに見つかるはずもない。
地を泳ぐ魚のように、人々の間を縫って奥へと分け行く。
空に爆ぜて轟く音。人々は歓声を上げ、拍手が沸き起こる。
見上げると、夏の徒花が絢爛に咲き誇っていた。
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by murkhasya-garva | 2005-08-07 03:35 | ほぼ日記