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by murkhasya-garva
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デトロイト・メタル・シティ(2008)

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原作の単行本第1巻が発売され、あの「アマレスけんちゃん」の作者がなんかやってるな、と買って読んでみた私は衝撃を受けた。デスメタルとポップの間でもがく根岸の姿がイタすぎる。こんな平均値をぶっちぎったギャップの激しさに呑み込まれたのは何年前だったろうか。それが映画化されると言うのだ。否が応にも気になる。



周囲の高評価を裏切らず、本作も相当楽しい出来だった。デスメタルの使者、クラウザーⅡ世が現実に降臨したとなると、死神リュークがフィルムに映り込んでいるどころの騒ぎではなかろう。もう暴走しまくる彼らを見るだけで十分満足。ただ難があるとすればラストがぬるいということだけ。

また、主人公の根岸がなぜここまでデスメタルに馴染んでしまうのかが原作よりもちゃんと練られている。鬱屈した恨みやらなんやらの反動で放出される負のエネルギーのなせる技、と言うだけではない。やはり根岸も人の子、どんなに才能があっても迷いはする。そもそも自分にデスメタルの才能があるなんてこれっぽちも信じちゃいない。

夢を持つなんてバカなこと、そう言って悲観する根岸にかける母親の言葉は強かった。どんな変わったことでもいい、そこから力をもらっている人がいるんだ、と。母親に後押しをされて彼は自分のアイデンティティを再確認する。ぼくが皆に夢を与えられるんだ!と根岸がライブに乗り込む姿からは異形ながらも正統な成長譚という印象を抱くが、それが押しつけがましくないのはひとえに軽い悪ノリのおかげだ。根岸の苦悩も滑稽に映る。そして彼を突き放して笑い飛ばせるように出来ているからこそ、この作品は受け入れやすくなっているのかも知れない。ともあれ松山ケンイチはいい仕事してます。一見の価値ありとはこういう掘り出し物的発見の感がある作品に与えられる言葉だと思う。
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by murkhasya-garva | 2008-11-13 01:40 | 映画