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by murkhasya-garva
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蒼き狼 地果て海尽きるまで

「蒼き狼 地果て海尽きるまで」(2007)
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「男たちの大和」に続く、角川春樹が製作総指揮に当たった作品。モンゴル建国800周年記念にあたり、あちらの国ではキャンペーンを行ったのでしょうか。本作以外にも、セルゲイ・ボドロフ監督による「MONGOL」でもチンギス・ハーンを描く作品が作られています。


個人的には「男たちの大和」と同様に角川作品は観る気はなかったのですが、前作「男たち~」に類した石原慎太郎製作の「ぼくは、君のためにこそ死にに行く」(長・・・。)や、モンゴルつながりの作品「MONGOL」(浅野忠信主演)など、比較しておきたい作品が色々出てきたので結局足を運んだのです。…かなり言い訳がましいですね。観るのに言い訳するなって話です。

本作の内容はどうだったのか。まず一言でいうと、「大きいことは良いことなのかも…」。今回はかなり自信なさげなのですが、さすがに大規模のロケを敢行、とにかくスケールはでっかく、という本作のキモはなかなかに見ものなのです。もう映画という以前に。それで映画かどうか、というと・・・ちょっとすぐには頭を縦には振れないのですけど。

ちょっとここで閑話休題。大半の映画は、リアリティと称して会話の微妙な間や感情のかすかな揺れを大切にしています。そしてそれは取りもなおさず、作品自体のクオリティとして反映されていたりします。また、この風潮は、歴史上の英雄を描く際にも、一人の人間として心の揺れを捉え、等身大のヒーローを作り上げることを目標とした作品を次々と生み出していっています。

そんな風潮に対し、「映画はエンタテインメント!!」と大前提を掲げ、角川作品はやってきたようなもの。英雄譚、オールロケと、分かり安すぎるお題目が一貫していました。しかも壮大な物語に小細工は必要ないとでも言うつもりでしょうか。皆が気合を入れて棒読みしています。会話の自然さ、なんてのは本作の重要事項ですらありません。「間」なんてどこ吹く風です。

初めはこの空気読まない感に、「ゲド戦記」以来の腰の落ち着かなさが蘇ってきます。しかし、腰を据えていると、この壮大さが沁みてくる。何というのか、角川節とも言える「血」と「義」をめぐる男のロマンみたいなテーマが前面に押し出されてくる。その迫力に圧倒されます。角川春樹氏が山師として成功した瞬間ではないかと思います。

ここで注意しておきたいのは、本作はチンギス・ハーンの人生を(多分)忠実に追っていないこと。むしろ、チンギス・ハーンという遊牧民たる異国の英雄に、製作者の夢やロマンを仮託したのではないでしょうか。壮大な地でわざわざオールロケを敢行する点からも、その意気込みが伝わってきます。
もうこの際細かい点を突っ込むよりも、一世一代の大見世物を楽しんでくる、というのが視聴者にとっては楽しめるコツかもしれませんね。
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by murkhasya-garva | 2007-03-24 11:34 | 映画