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by murkhasya-garva
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プライマー

「プライマー」(2004)
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難解映画の一つとして挙げられていた作品。以前京都シネマで上映を逃し、観ておかなかったのを悔やんだような記憶が。2004年度サンダンス映画祭でカルト的人気を博し、審査員大賞を受賞。もうパッケージのデザインからそそる作品です。



アメリカのとある郊外の町。自宅のガレージでオフタイムに研究開発に励むエンジニアのアーロンとエイブ。ある時エイブが超伝導を利用した画期的なアイデアを思いつき、2人は開発の途中で空間に時空の歪みを生じるワームホールを作り出してしまう…

「観ておかなかった」と先ほど書きましたが、実はぼく、2年前に観ていたようなんです。オープニングでやっと気付いた次第。そういえば2年前、余りの意味不明さに混乱し、挙句の果てにはうたた寝したんですね。大抵は寝ても分かるものですが、この作品、さっぱり分からない。半泣きで「これは観なかったことにしよう」と脳内削除、見事に成功していました。

過去の自分の企みにも気付かずにまんまと借りた「プライマー」。2度目の鑑賞にもかかわらず意味不明な箇所が多すぎる。いや文句ではないんです。わずかだが確実に散りばめられたヒントの数々。何かが起きているのに、何が起きているのか分からないこのもどかしさ。「分からない」ことへの激しい反抗心と、脳髄がピリピリするような興奮が身を包みます。

『π』や『メメント』のような知的好奇心をそそる、タイムトラベルものの作品。視覚的な刺激は殆どなく、正面から謎解きをガッツリとやらせるようなSFサスペンスです。製作者が作りたいものを作った感じで、好感が持てます。謎解きは、既に他の方がすごいパワーをつぎ込んでいますので、そちらを参照して下さい。

この作品の難解さを支えているのは、不親切なほどの状況説明のなさ。普通ならナレーションや丁寧な描写でフォローするところが省かれている。しかもエンジニア同士の専門用語の飛び交う会話で、余計に分からなくなっている。一見しただけでは分からない映像の数々、すでに前半から伏線は張られています。少しの映像も見逃せません。

そして何よりも質の悪いざらざらとした映像、時折入る淡々としたナレーション。この低予算ならではの映像の質感は、タイムトラベルや分身(ダブル)との出来事が逆に本当に思えてくるんですね。ドキュメンタリーみたいで。エンジニアたちの興奮や混乱の息遣いもリアルに伝わってきそうです。

自分の仕事を楽しんでいた、少年のような主人公たちが期せずに巻き込まれるタイムパラドックスの渦。その目で確認すべし。最低5回は観る必要がある、とニューヨークタイムズは報じたそうです(!)。
※主人公は一人ずつじゃないことに注意して観ましょう。
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by murkhasya-garva | 2006-11-19 01:11 | 映画