休止中。


by murkhasya-garva
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30

<UKオールスターズ!キンキー・ナイト>フル・モンティ

「フル・モンティ」(1997)
b0068787_12254674.jpg
<UKオールスターズ!キンキー・ナイト>@京都みなみ会館の3本目の作品。家族構成では「サンキュー・スモーキング」につながり、ダンスという点で「フラガール」とつながる…ちょっと強引ですか。そうそう、主演のロバート・カーライルは「トレインスポッティング」のベグビー役でした。


イギリス北部の街シェフィールド。25年前は鉄鋼業で栄えたこの街も、今は誰もが失業中で生活は苦しい。幼い息子の養育費を払えず共同親権を失いそうなガズもその一人。だがある日男性ストリップショーに紛れ込み、その熱狂ぶりに、自分も金を稼げるんじゃないかと思い立つ…。

このオールナイト、イギリス作品特集で組まれていましたが、やはり共通する空気が何となく感じられます。例えば本作は「トレインスポッティング」と同じニオイがする。生活不安定な者は、何だかフラストレーションが溜まり、いらだちも募る。新しい環境を求め、何とか行動しようとするも今ひとつパッとしない。曇り空のイギリスによく合います。

もっともストーリー展開でお決まりのパターンだともいえます。しかし本作はこのパターンをもっとも単純な形で描いた秀作であるといえるでしょう。愛すべきキャラクターの面々、心温まるエピソード、そしてラストはフル・モンティ(すっぽんぽん)で決めるという、まさにカタルシス。これをエンタテインメントと言わずして何と言うか。

また、男性ストリップという設定も面白いですね。“女性の仕事”を男性がやっている…男性が失業して家計の中心でなくなった瞬間に、男性優位もあっさり消え去る。いや、そもそもそんな幻想が根付いていたのかどうかすら疑わしい。ともかく、男性も肉体そのものに商品価値を付けられる時代がきたことに、少なくともガズの周りでは戸惑いが広がります。

そんな価値逆転のおかしさを含みながら、男たちのダンスの練習は続きます。初めは嫌々ながらやっていた者も、いつの間にか音楽が流れるだけで腰を動かしていて…。職安でのシーンは傑作です。従来の職業観が変わっていく瞬間でもあります。やっぱり「フラガール」に少しつながりますね。

失業中の殿方がこれを見てストリッパーになるとは考えられませんが、少なくとも不景気にあえぐ人々の鬱屈した思いが、この極端な転職のカタチによって少しは解消されるかも(どうでもよろしいが。。)エンタテインメントの秀作。ぜひ観ておきたい。
[PR]
by murkhasya-garva | 2006-11-11 12:29 | 映画