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by murkhasya-garva
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レイヤー・ケーキ

「レイヤー・ケーキ」(2004)
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イギリス映画といえば、「UKオールスターズ!キンキー・ナイト」を10月28日に観にいってきました。肝心の「キンキーブーツ」は観ていないという間抜けぶりですが、オールナイトで本作のパンフをタダで貰ったので、これは観ねば…と行ってきたのです。



麻薬ディーラーのXXXXは、ボスから2つの仕事を命じられる。エディ・テンプルの娘を探し出すこと、そしてデュークの入手した大量のエクスタシーを売りさばくこと。裏社会からの引退を考えていた彼は、手早く片付けようとするが、凄腕の殺し屋に命を狙われ、最悪の事態に陥ってしまう。

主役は、6代目ジェームス・ボンドに抜擢され、「007/カジノ・ロワイヤル」に出演したダニエル・クレイグ。本作でも名もなき麻薬ディーラーを演じ、その鋭い判断力と綿密な計画性が彼のクールな外見に華を添えます。しかも彼の通称はXXXX。実際に名を呼ばれることのない(これこそ「無名」の)彼の、抑制され、しかし力強く確かな演技は、他の俳優にはない魅力があります。

また脇役のキャラが立っているのにも注目。XXXXの人間関係がけっこう複雑なこともあり、気を抜いていると誰が誰だか分からなくなる。そのためにか、一人ひとりのキャラを立たせ、作中で説明や大事なシーンを繰り返すなど配慮された出来になっています。このことは、キャラの薄いXXXXの存在を、逆に際立たせてもいるようです。

さて、XXXXが依頼された仕事は、訳あり娘の捜索と、訳ありエクスタシーの売却。自分ルールに従って行動している彼にとっては、この仕事はルールに引っかかる。ヤバイ。しかし、ボスの依頼とあれば断ることができません。案の定ドラッグは盗品だし、娘の父親とドラッグの元所有者に同時に睨まれることになる。普段は冷静で確実な仕事をする彼がどう動くか。見ものです。

彼の物語を彩るのは周囲のキャラと、そして本作の独特の雰囲気。イギリスの街や郊外を上空から俯瞰して映し、この国の景色を切り取って見せます。またこれは、作品の基調色を効果的に配置するのと同じく、製作者の美学というか“こだわり”のようなものが見られます。

暴力シーンや性的描写といった刺激的な映像に頼ることなく、あくまでも洗練された映像を心がけている作品です。暑苦しいキャラも、独特の心地よいストーリーのテンポで、効果的なアクセントとなってくれます。加熱しすぎず、冷めすぎず―客が「楽しい」と思えるレベルと、製作者のこだわりとが上手い具合にバランスをとって、スタイリッシュな映像を作ってくれました。

何よりもダニエル・クレイグのクールさが本作の“色”に見事にマッチして、いい感じです。イギリス映画が好きな方は是非観ておきたいですね。
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by murkhasya-garva | 2006-11-07 13:07 | 映画