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by murkhasya-garva
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<第五回京都映画祭>怪猫謎の三味線

「怪猫謎の三味線」(1938)
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70年近く前の作品です。白と黒が靄(もや)のように映り、音声もくぐもったように聞こえる。よほど集中しないと作品の細かい部分を見落としてしまいそうになります。そんな中で、年輩のお客さんは考えるよりも先に声が出てしまうご様子。周りの皆さんブチ切れです。

三味線引きの清二郎(朝香新八郎)が飼っている猫が、あるとき武家の娘お喜代(歌川絹江)の元に迷い込み、二人は仲良くなる。それを観ていた清二郎の恋人三津枝(鈴木澄子)は嫉妬に燃え…。


こんな古い映画に知っている名前を見つけた!!森光子さんが、お喜代の妹のお縫役で出演しているのです。まだ20歳にもならない彼女が出演…世代を超えて活躍している女優さんがいることに、正直驚いてしまいます。実は上映時には誰が誰か分からなかったのですが。

怪談映画は新興キネマが多く生み出してきました中でも怪猫映画はシリーズ化され、6作品が製作。今でこそ画像が悪く、昔ながらの風情を感じるばかりの作品に見えますが、牛原虚彦監督の演出は確実なものがあります。見せるべき場面を選んで見せる、テンポのよいストーリー展開。また多重露光、特殊レンズ、スローモーションなどを用いた恐怖シーンでは、怪談のムードが効果的に盛り上がります。

ラストの浄瑠璃のシーンは、本編中で一番の見所。引退興行で踊る三津枝の前に現れる猫の顔、お喜代の顔。浄瑠璃自体も見ものではありますが、テンポを損なわずにはさまれる恐怖シーンは、観る者へ次第に緊張感を与えます。舞台を劇中劇に仕立てて復讐の場として使うなんて、映画という手法あればの話です。観る側は“一つ上の視点”から観ることで、リアリティを一層感じることができます。
こんな機会がなければ、観ることもない作品ですね。
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by murkhasya-garva | 2006-10-28 10:30 | 映画