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by murkhasya-garva
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ダメジン

「ダメジン」(2006)
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「三木聡ワールド 作った順に上映しますナイト」で一作目に上映されたもの。「イン・ザ・プール」や「亀は意外と速く泳ぐ」よりも先に作られたが、お蔵入りになりかけた作品。まず何をおいても、キャスティングの良さ。皆いい味出してます。



働かずに生きていく方法を真剣に考えているリョウスケ(佐藤隆太)ら三人組。猫じじい(笹野高史)から「インドへ行けば一生働かなくてもいい」といい加減な助言を聞き、インド行きを決意した。慣れないアルバイトをするが、一向にお金は貯まらない。ある日、倒産した銀行を襲う計画が持ち上がって・・・

三木聡の原点とも呼ばれるこの作品。もう観ているだけで脱力してきそうな内容に仕上がっています(ちなみに“脱力系”とはこういう意味ではない)。‘一生夏休み’のように過ごす人間が揃っていて、その底抜けなお気楽さに笑える一方、とても他人事とは思えないダメっぷりが伝わってきます。こんな身分をやっているぼくには、少々キツイ作品でもありました。

今回上映された三木聡監督のオリジナル作品には、共通して「ひと夏の思い出」とも言うべき、明るさと寂しさが共存しています。それぞれのキャラが輝かしいほど際立っていて本当に楽しそうに見える一方、必ず来る終わりの時を感じずにはいられないのです。本作で登場する“ダメジン”たちは「一生夏休み」のように日々を過ごしますが、時折見せる空虚感は、じわりとほろ苦さ、切なさを抱かせてくれます。

人生の夏休みを満喫する人々は、今「ニート」や「フリーター」…いや、「ホームレス」?に進んでなった人たち。責任感なし、計画性なし、緊張感なし。本作品はそんな身分の人たちを批判するのではなく、逆に肯定的に「いかに生きるか」を考えさせます。猫じじいが言った「ムード」だって、突き詰めれば生きるうえで大切なことかも知れません。

それにしても本当に楽しそう。夏という季節も手伝って、一人一人が生き生きしています。各キャラが立ちすぎてて、彼らが画面に映るだけで面白い。けれども他の映画にないドライな部分も目立ちます。それは、特定の誰かの心情描写を映すよりも、コントみたいに掛け合いの面白みを追及したからでしょう。何と言うか、表面上とても健康的に見えるんですよね。

それらの各シーンで、一癖も二癖もある役者たちが各自の魅力を存分に発揮しているのも見所です。
例えばカホルを演じる温水洋一。メジャー作品では何だか居心地が悪そうなのに、本作ではなんと伸び伸びしていることか。彼の実年齢は40歳を超えると言うのに、設定では25歳というとんでもないことに。それで説得力があるのだから、この作品のキャスティングはよく出来ています。他にもツボにはまる人たちがいっぱいです。

「永遠の夏休み」を選択したダメジンたちは…
まあとりあえず観るだけ観て下さい。この作品、もとい三木聡の作品の濃さは病みつきになります。
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by murkhasya-garva | 2006-10-04 07:48 | 映画