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by murkhasya-garva
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緑茶

「緑茶」(2002)
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中国第六世代の監督による作品。監督は、「ウォ・アイ・ニー」を手がけたチャン・ユアン。撮影は「花様年華」「2046」を担当したクリストファー・ドイルを迎える。各作品で際立っていた美しさは、ここでも充分に、そして独自の世界を香り立たせています。



大学院に通う内気な女性ウー・ファン(ヴィッキー・チャオ)は、理想の男性を求めて見合いを繰り返していた。彼女は友人に「一杯の緑茶で愛の行方を占える」と教えられ、見合いのときは必ず緑茶を注文するのだった。この日出会った男性チン・ミンリャン(ジァン・ウェン)は、なかなか心を開かない彼女に心惹かれていく・・・。

詩情に溢れたロマンティックなストーリーと、2人の恋の行方を象徴するような映像と音楽の揺らめきが、なんとも心地よく感じられます。まさに男女の世界を一杯の緑茶にたとえた、美麗な作品です。日本の最近の作品と比べるなら、「ゆれる」「空中庭園」でしょうか。どちらも心地よくはありませんが、象徴的なカメラワークが思い出されます。

見合いを重ねる地味な大学院生…と言ってもヴィッキー・チャオのスーツ姿はいうまでもなくキュート。彼女は一人二役をこなし、奔放で魅惑的な女性ランランも演じますが、本当にきれいな女性は地味な格好も似合うものです。メガネをかけ、キッとした目つきを見せるかと思えば、華が咲くような笑顔も見せる。あー美人だなあ、とうっとりしていたのです。多分日本人受けする顔(というかツンデレ系…言ってもうた)なのでしょう。

対する男性ミンリャンを演じるジァン・ウェンは「鬼が来た!」で活躍した方。ここでなぜ若いイケメンではなく、こんなオッサンなのか。下手すりゃ若い娘をストーキングするオヤジじゃないか。と文句を言いたくもなりますが、この人は上手い。ウーファンとランランの間を行き来する、フェロモン放出系の恋する男を演じて違和感がありません。

という風に、本作は役者も含めた作品全体の“たゆたう美しさ”を味わうための作品ではないでしょうか。
しかし、内容はボーッとしていると「わけわからん…」と呟きかねません。よく観ておきましょう。例えばこの作品、クライマックスの部分で突然終わります。つまり、ハリウッドの恋愛ものみたいにハッピーエンドまで映すのではなく、男女の揺れる関係をえがくのが目的なのです。観る側は、余韻を残されて何だかいい気分になって帰る、それだけで十分ではないですか。

また、ウーファンとランランは、実は二重人格の一人の人間だと設定があります。するとミンリャンの行為は別に浮気男のそれではなく、一人の女性を深く知るためのステップ―しかもそれは無意識の―だということになるのです。実際ミンリャンも、ランランを何度も「ウーファン?」と言い間違える(=重ね合わせる)し。
それに、そうでなきゃわざわざヴィッキー・チャオが二人一役をする必要もないじゃないか。

前作の「ウォ・アイ・ニー」も男女の恋愛・結婚観を繊細に描いたものとなっています。チャン・ユアン監督の、独特の雰囲気を持ったロマンチシズムに酔ってみるのも、なかなか良いものですよ。
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by murkhasya-garva | 2006-09-25 17:51 | 映画