休止中。


by murkhasya-garva
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31

プラハ!

「プラハ!」(2001)
b0068787_9121442.jpg
京都みなみ会館が、「もっとチェコ!」というタイトルでチェコ映画を特集し、本作品やイジー・トルンカのパペットアニメーションを上映します。
「プラハ!」は9月7日、今日まで。





1968年、社会主義体制の下、民主化が進む「プラハの春」。テレザら女子高生3人組は、卒業を前に、燃えるような恋に憧れていた。ある日テレザは、シモンという男性と出会い恋に落ちるが、彼は自由を夢見る脱走兵だった…

映画学校時代、「ひなぎく」のヒティロヴァー監督に学んだフィリプ・レンチ監督。「ひなぎく」に劣らず、カラフルな色彩と少女の活気が生き生きと描かれます。と同時に本作は、一時的に盛り上がった「プラハの春」の時期を舞台としており、限りある青春を過ごす少女への懐古的な視線が、より印象深いものとなっています。

全編を通して明るいテンションを支えるのは、カラフルに彩られた背景と当時の音楽、そしてダンス。半ばミュージカルのようにすることで、主人公の世界観が彩り豊かに描き出されるのと同時に、観客の集中が途切れないように配慮されています。また、時折挿まれる歌が、とても効果的に感傷を呼び起こします。

テレザら3人組がであったのは、自由を求めてやってきた脱走兵。外の世界から来た男たちに、彼女たちは恋に落ちます。テレザの友人、一番遊び好きなブギナ、読書好きの夢見がちなユルチャもそれぞれの恋の顛末をたどります。そんな彼女たちの姿は、当時の自由を求める人々の姿そのもの。「プラハの春」という、いずれ終わる短い季節。青春を謳歌する彼女たちの明るい日々は、まさに「目を開けて見る黄金の夢」という切ないひと時でもあります。

また脱走兵たちにとって、「自由の国・アメリカ」は憧れの地。その自由の地に導いてくれる貨物車へ必死に乗り込もうと走る彼らの姿は、感動的ですらあります。苦い過去を抱える人々にとって、このもっとも象徴的なシーンは、思わず涙してしまうところではないでしょうか。

明るく活発な青春のひと時を描き、いずれやってくる春の「死」を対置する…歴史の傷は、思った以上に現実的な色合いを持って迫ってきます。まるで人の死を見るかのような哀しさ。ただ明るいだけでなく、歴史的事実にも確かに目を向けているからこそ、この作品は注目すべき良作となったのかもしれません。

ヒロインのズザナ・ノリソヴァーが輝くような美しさ。注目の一作です。
[PR]
by murkhasya-garva | 2006-09-07 09:13 | 映画