休止中。


by murkhasya-garva
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日本沈没

「日本沈没」(2006)
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「ローレライ」「亡国のイージス」を手がけた樋口真嗣監督の最新作は、小松左京原作の映画のリメイクだった。草彅剛、柴崎コウ主演、感動のラブストーリー超大作!!のはずが・・・。ひと夏のハッタリ話題作として、何年かあとにはキレイに記憶から消えていることでしょう。


潜水艇乗りの小野寺は、地球科学博士の田所らと深海調査に参加していた。海底プレートの急速な沈降から、わずか1年後に日本が沈没するという事実を突き止める…

前回の記事にも書いたように、「ローレライ」「亡国のイージス」というこれらの作品は、国難に見舞われた日本を救え!という、愛国心を背景にした人間ドラマなのです。が、どちらも微妙に空回りしている感があり、周りでもあまり評価はされていませんでした。
ただ、皆が休みの時期を狙って上映するものだから、まあ人が多い多い。デートで来たカップル、祖国を憂える年輩の方々がこき混ざって大入り満員です。商業的には効果が高そうです。

そんな樋口監督の今夏の大作は一味違います。韓国でも知名度を上げている草彅剛、好感度上昇中の柴崎コウ、30年前の作品のリメイク、日本の未曾有の危機に感動的なラブストーリーときたもんだ。
しかもキャストには、各方面から著名人を起用。宝塚出身の大地真央、女性に人気の高い豊川悦司、邦画の名優の加藤武、オタク界からは庵野秀明/安野モヨコ夫妻など、重要な役からチョイ役までまんべんなく配置するなど、念には念の入った作りよう。

そして出来上がったのは、あらゆるアイデアをちょっとずつつまんだ結果、すべてに充実感が足りない、ウスーい作品。何でもかんでもやろうとしすぎ。恋愛ものと考えても、いつの間にかくっついて、離れて…じゃ全然説得力がない。災害ものと言っても、CGを駆使している割にはこれと言う見せ場がない。
だいいち、日本沈没という危機的状況で恋愛もの、というのが逆に不謹慎に思えてくるくらいです。

こういった災害ものは、往々にして失敗に終わる割合が高いのです。なぜか。それこそ、「たまには映画観て、ゆっくりしたい!」という方には、お手ごろで良いジャンルではあります。それでも、ネタ自体が現実離れしていることや、人間ドラマと釣り合いが取れなさ過ぎだと感じると、もう違和感だらけの「大運動会や~」(by彦麻呂)というハメに陥ることでしょう。
ぼくは「アルマゲドン」もいけなかったクチなので、説得力がないですが…。

また、監督が何を伝えたかったか、というメッセージ性も薄い。観客「も」喜ぶようなサービスを!と、エンターテインメント路線でアイデアを詰め込みすぎると、かえってテーマが埋もれてしまう。結果、観客側は「これは何を言いたかったの?」と首をかしげながら帰るしかないのです。
樋口監督は、もう少しスケールの小さな作品から始めた方がいいのではないでしょうか。
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by murkhasya-garva | 2006-09-04 14:09 | 映画