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by murkhasya-garva
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ティント・ブラスの白日夢

「ティント・ブラスの白日夢」(2005)
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上映作品を物色していると、たまに普段お目にかかれないような作品を見つけます。本作はいわゆるピンクエロスに当たる作品で、大阪は天六ユウラク座にて上映されていました。ふだんこの類の映画は観ることもなく、好奇心に駆られていそいそと足を運んだわけですが・・・


上映した天六ユウラク座という映画館、今は数少ない名画座のニオイがします。店先には生々しいまでの手書きの看板、ドアを開けると受付のおばちゃんが「いらっしゃい」と声を掛けてくれる。場内の微妙な古めかしさは、以前行ったトビタシネマを思い出させます。といってもあそこまで雑然とはしていませんが。

この作品は、結婚して半年を経た女性が、夫との関係に満足できず奔放な性を求める、という内容。いやはや、扇情的の一言に尽きます。男性の欲望をひたすら掻き立てるために作られたようなものです。そこには、性を通じてのテーマというものはなく、ただエロティックさを求めた描写が延々と続きます。
お願いだから横のおっさん、モゾモゾしないでくれ~。心配で集中できない…。

かつてラス・メイヤーは「巨乳」を好んで撮りましたが、ティント・ブラスは「巨尻」が好みなのだそう。若く肉付きのよいマルチナ(アンナ・ジムスカヤ)が肢体をくねらせ、淫蕩の限りを尽くす姿は、妄想逞しい殿方にはたまらないものがあることでしょう。
美術館にはノーブラで足を運び、パーティにはノーパンで臨む彼女。ひたすら自分自身の欲望に忠実な女性像からは、男性の願望が丸出しです。少々妄想に過ぎるようですが。

また、この作品の性的な方向性を強めるために、道徳的な視点が小道具に使われます。序盤では人目を拒み、夫に秘密を隠す主人公、後半では眉をひそめる周囲の人々というように、性に奔放であることへの背徳感が端々で示されるのです。この背徳感、持てば持つほど人は燃え上がるようです。背徳感を感じながらも交情にいそしむ姿は、逆に性への情熱を高めることになります。

同時に、おそらく本作はあらゆる価値観を引きずり下ろし、等質にしているようです。主人公は、美術館のフレスコ画に描かれた男性器を見て欲情し、ある男はパーティで「所詮、宗教と性が一番もうかる」と言います。また、足を引きずるウェイターや妙な私服のオペラ歌手、痴呆の老女など、さまざまな問題を抱える描写が無造作に放り込んであります。これは、恐らく監督が意図して、ソドムの町のような有り様を作ったのかとも読めますが、推測の域を出ません。

ともあれ、殿方が好みそうな作品です。原題の「monamour」、実は男性器の隠語だということも考えると、監督は“本格的”なピンクエロス映画を作ろうと意気込んだのでしょう。しかし現実は、妄想半分の内容から、かなりの安っぽさが目立つ作品でもあります。上映終了後にすぐ席を立てなかった方も何人かいるくらい、エロティックではありますが…
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by murkhasya-garva | 2006-08-21 20:40 | 映画