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by murkhasya-garva
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ATG Film Exhibition 第3日目「薔薇の葬列」

b0068787_22381559.jpg今日は「ATG Film Exhibition」の3日目。日を重ねるごとに熱心な人が増えて早々に並ぶので、いい席が取りにくくて困ります。
今回は松本俊夫監督・脚本の「薔薇の葬列」(1969)でした。主役はピーター。蜷川幸雄や淀川長治もキャストに混じっています。何の役かは観てのお楽しみ。


アフタートークは松本俊二監督と四方田犬彦さんが出席されましたが、これがまた面白すぎる。理論家である監督と気鋭の評論家ですから、トークに華が咲く咲く。モデレーターの平沢さんでも割って入るのに困っていました。

「薔薇の葬列」は、その作品の影響から「薔薇族」なんて言葉が有名になったほど。
(しかし、昔は族が付くのが多いですね。カミナリ族、竹の子族、太陽族…)
この作品は前2作品と比べて、最近の映画の体裁に近いのか、比較的分かりやすい。
何だかんだいってストーリーが明らかに一貫しているので違和感がないんですね。
それに役者の表情が重視されています。光の使い方とかに馴染みがあり、霊柩車の運転手のサングラスが反射すること一つとっても、何となく、ああ、という思いがします。

アフタートークでも言われていたように、本作品は本当に色々なことに挑戦しています。
時間軸をばらばらにする、シーンに不似合いな音楽を流す、引用句を多用する、パロディをやる…ここで最も重要なのは、「現実と虚構の境目を積極的に壊していく」という試みです。
これは、トークで言われた「アヴァンギャルドとドキュメンタリーの混在」であり、作中でのエディ(ピーター)の台詞が示しているものです。また同時に、ゲイボーイというあいまいな存在を起用する点や、現実社会と舞台をあいまいな関係にしているのも、その一つではないでしょうか。

作品解釈という視点からは、四方田さんも仰るように切りがないくらい言葉が続きます。多分本を読んだほうがいいのでしょう。松本俊夫氏の著書に「表現の世界」「映像の発見」など多数あります。
実際にトークは尽きるところを知りません。2人とも映画に関しては一言ある方々。該博な知識と溢れる情熱にほだされ、こちら側で身を乗り出して聞く人が出てくるほどです。本当に面白かった。

主役のピーターは当時16歳。その若さで発せられる妖艶な雰囲気はすばらしい。観る者を常には共感させず、時にコミカルに、時にコケティッシュに。
ただ、すっぴんの顔は、一瞬誰だか分からなかった。化けるもんです。
この作品は、機会があれば絶対に観るべし。現代の映画の先駆けとも言うべき革新性があります。
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by murkhasya-garva | 2006-06-10 22:46 | 映画