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<歌う!フレンチ・シネマ・ナイト>8人の女たち

「8人の女たち」(2002)
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去る5月27日の<歌う!フレンチ・シネマ・ナイト>で上映された4本目の作品。フランソワ・オゾンの新作記念。数年前にすごく評判になり、一度は観てみたいと思っていました。大邸宅で繰り広げられる女だけのミュージカル。2002年ベルリン国際映画祭銀熊賞(最優秀芸術貢献賞)受賞。


クリスマスを祝うために、家族が大邸宅に集まった。その朝、一家の主人であるマルセルを起こそうとメイドのルイーズが部屋に入ると、彼は背中をナイフで刺されて死んでいた…。雪に閉ざされた邸宅、切られた電話線、動かない自動車。容疑者はこの家にいる8人の女たち。

何とも豪華なキャストが集まったものです。「シェルブールの雨傘」「ダンサー・イン・ザ・ダーク」のカトリーヌ・ドヌーヴ、「美しき運命の傷痕」のエマニュエル・ベアール、そして「焼け石に水」のリュディヴィーヌ・サニエなどなど・・・。「焼け石に水」でサニエはほとんど下着か全裸のオネーチャンだったのに、今回は17歳の少女。ギャップが激しくて、キャストを見るまで全然気付きませんでした。

8人の女優たちを使ってミュージカルとは贅沢な話ですが、個人的にはどうも気に入りません。取ってつけたような「歌い」の場。ストーリーの流れを切ってしまうようで鼻につきます。一番初めに妹のカトリーヌ(サニエ)が突然走ってきて歌い踊るのですが、不自然な感じがして仕方ないのです。それに、各エピソードの思わせぶりな展開もベタすぎて見ていられない。ミュージカルってこんなんだったっけ。

最近観たミュージカル映画といえば「シェルブールの雨傘」や「プロデューサーズ」(2005)など。どちらもほぼ全編がミュージカル。各シーンを情景豊かに描き出す挿入歌が本当に美しく、心が躍ります。これらの傑作と比べるからいけないのか、それとも初めに持った違和感を引きずったからか。各人の歌うシーンに必然性すら感じられません。

しかし、一方で感心したのは人間関係の描写です。限定された空間で人間の本性がこれでもかとあぶりだされます。お互いが刺激されあって変容していく様子は、さすがというべきでしょう。誰もが秘密を抱えていて、明かされると例外なく人間が変わるのです。そのため初めと最後では人物の勢力関係はがらりと変わっていて、実に興味深いところです。後半からはテンションが高まって迫真のシーンが見られます。
しかしストーリーの本筋には関係ないのです。彼女たちの大事な秘密が明かされても、その場しのぎで退屈なだけです。初めに違和感を持つと、大事なシーンすら冗長に見えてしまう…。

結局、ストーリーの展開が急迫(一部は冗長)で、演出過剰とも取れるシーンが多々ありました。しかし、ミュージカル仕立て(ラストを見れば一目瞭然)だということを思い出せば必然的な出来なのかもしれません。しかし、この作品の最大の魅力は、一にも二にも、8人の女優が歌って踊る豪華なミュージカル!という点にあります。好意的に受け取れば面白い一本かもしれません。
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by murkhasya-garva | 2006-06-01 18:25 | 映画