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by murkhasya-garva
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ウォーク・ザ・ライン 君につづく道

「ウォーク・ザ・ライン 君につづく道」(2005)
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4月1日、テアトルタイムズスクエアで鑑賞(だったと思う)。340席もあり、席も座りやすい。スクリーンは大きく、音響もいい。映画を観るには十分な環境です。しかし1日のサービスデイだからか人が多かった…。


ホアキン・フェニックスが歌手ジョニー・キャッシュを演じる感動の作品。ジョニーに影響を受けたアーティストは多いとか。その伝説的存在を演じる際に、フェニックスは彼の楽曲を二十数曲マスターしたといいます。激しいトレーニングを積んだとあって、演奏シーンは迫力があり、見ごたえがあります。彼の心情を象徴するかのように挿まれるたくさんの楽曲に彩られ、ストーリーは彼の波乱の人生を綴ってゆきます。

ジョニー(ホアキン・フェニックス)は既婚者でありながら、少年の頃から好きだったジューン(リーズ・ウィザースプーン)に想いを寄せる。妻のヴィヴィアン(ジニファー・グッドウィン)はそれが分かっているために気が気ではない。何だか大人のドロドロ恋愛模様にもなりそうな関係を純愛ストーリーに出来たのは、当然のごとくこれが「ジョニー・キャッシュの人生」を描いた作品だったからでしょう。
彼を、彼の心情を優先的に描いたからこそ、観るものに強いシンパシーを感じさせるのかもしれません。

苦悩と薬物でボロボロになりながら、なおジューンのことを想い続ける…本作品のタイトルでもある”Walk The Line”はそんな彼自身が「しっかりしている」と言い聞かせ、「まっすぐ君につづく道を歩く」と歌うのです。何とも痛ましく、そして切ない歌であることか。彼の精神が如実に表れた数々の曲は、つまり映像と並行して彼の人生を語っているのです。

楽曲をはじめとした暗喩的な表現は数多く、彼の人生をいっそう彩ります。例えば、彼がヤク中で休暇を取っているとき、小切手で2万ドルを換金しようとします。しかし、その金額に驚く銀行員が渋っていると「現金に換えられなければただの紙くずだ」と言い放つのです。名声だけが付きまとう彼(=小切手)を評価する(現金=キャッシュに換える)手段がないのをもろに表しています。彼自身、自分の退廃ぶりは自覚しているのに抜けられずにいる地獄のさま…。

時にはライン(=自分の生き方、友人の言葉、両親の人生)を否定し、時には木の株に引っ掛かった新品のトラクターのように行き詰まることもある。しかし自分の音楽やジューンへの愛を決してやめない姿は痛ましくもあり、切なくもあります。また同じ痛みを知る者であるからこそジョニーを支えられるジューンや、彼女の家族の愛情に胸を熱くさせられます。

時代の反逆児であったスターの物語。彼を取り巻く有名人の似姿もさながら、その懐かしいリズムやスムーズなエピソードの導入による彼の人生に注目して下さい。塞いだ心でもいつしか溶けているのを感じる佳品だと思います。
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by murkhasya-garva | 2006-04-14 18:11 | 映画