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by murkhasya-garva
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東京ゾンビ

最近文章長いっす。もう少し刈り込みます。
「東京ゾンビ」
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ゾンビ映画があまたある中、何だか毛並みの違うのが出てきた。ジャンルはゾンビ映画でいいのか?主演は浅野忠信、哀川翔。人気スターを使うほどの大作??(笑)




とある将来の東京。フジオとミツオは町の片隅の工場で、日々柔術に明け暮れていた。ある日、産業廃棄物が積み上げられたゴミ山、黒富士からゾンビが大量に蘇る。果たして彼らの運命は?!

何とも脱力させてくれるギャグの連発。下らないと分かっていて使われるものだから、こっちも笑うしかない。世界観もバカならキャラもバカ。どこか抜けているのに時にカッコいいこと言ったりする。この絶妙なバランス感覚。最後まで笑わせてもらいました。

この映画、いろんなことやってます。ギャグもさながら、かつての名ぜりふを言わせたり、有名な映画のシーンに似せたりと所々でオマージュが見られます。むしろパロディかも。やたらカッコいいシーンや台詞、妙に取って付けた感のある場面やデジャブった所があったら、多分何かの作品のパロディなんだろう。

例えば、黒富士の現実離れした黒い荒れ地が、黒澤明の「夢」にあった「鬼」のイメージによく似ている。人間が別の存在になる、という点だって同じ。また、お約束ですが、ゾンビ映画の巨匠ジョージ・A・ロメロの「ドーン・オブ・ザ・デッド」でゾンビが押し寄せるシーンとそっくりのシーンがあります。

そのパロディを支えているのが花くまゆうさくの脱力世界観。ときどき呆れるほどのチープさが漂ってきます。フジオが川に飛び込むシーン(なぜか直立不動)。明らかに人形が飛んでるだろ!しかも効果音で「ピューン」って!

そしてこの珍妙な世界で演じるのがあの有名な哀川翔と浅野忠信。一世を風靡した哀川翔が、ハゲ頭になっているのを見てショックを受けた方も多いのでは。演じるミツオは「男のロマン」に徹底して生きるがために、結果的にどこかずれてる。間の抜けたカッコよさに笑ってしまいます。「サヨナラだけが人生さ」とか言ってますが、狙いすぎて、クサいを通り越してアホです。

対して相方のフジオは一本ネジの抜けた馬鹿力。べタなボケをここぞとばかりにかまして脱力させてくれます。んでフジオの熱さに影響されて青春するんですが、やっぱりボケ倒しなんですね。今ではもう恥ずかしい青春ネタを絶妙のタイミングで堂々とやるところに笑いどころがあるのだと思います。
浅野忠信は今回、後輩でキレやすいという立場。これは「アカルイミライ」の浅野忠信×オダギリジョーの関係と逆です。これも意図されたのかも。

他にもチョイ役で意外な俳優が出ている。「運命じゃない人」の主人公だった中村靖日。マザコンボーイに変身です。ゾンビの役が意外に上手かった。さすがですね。

注目すべきはやっぱり柔術かな。効果的な演出もなく、BGMもない。淡々と行われるわけです。確実に観客のテンションが冷え込むのを分かってて何故やるのか。柔術の魅力、本質を伝えたいのか。柔術系青春ドラマにするには物足りない。あえて言えばフジオが周りから浮きすぎってことぐらいしか分からないかも。
確実に評判が悪くなるところだと思います。だって笑えないもん。でもあまりに異質すぎてかえって記憶に残ってしまう。

「花くまゆうさくと佐藤佐吉は何に挑戦したのか」。それを確認するために観る映画ではないだろうか。オフビートギャグ(三流芸人のコントみたいなやつ)、パロディ、実験的演出、どれをとってもメジャーとは一線を画する作品です。部分的には賛否両論あると思いますが、結果的に「面白かった~」と言えるような映画になっています。
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by murkhasya-garva | 2006-02-04 17:38 | 映画