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by murkhasya-garva
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奇妙なサーカス

「奇妙なサーカス」
b0068787_22404331.jpg出演は宮崎ますみ、桑名里瑛、いしだ壱成、高橋真唯など。園子温監督による作品は、「自殺サークル」がある。扱う内容が過激であるために、R-18指定作品となっている。というかですね、この作品をどう理解すればいいのかよく分からん。そのせいか今回はちょっと長いっす。未見の方は4段落目までが良いかと。


美津子(桑名里瑛)は父、剛三(大口)に犯され、母、小百合(宮崎ますみ)には激しく嫉妬される。以前から母に「私にそっくり」と言われていた美津子は、剛三に抱かれるようになってから母と自分を重ね合わせてきた。父との異常な関係は母子の心を蝕んでいった・・・。

まるで悪い夢を見ているような作品。
真紅と純白の重なり合う世界が対照的に映るが、「親切なクムジャさん」と違って美しいというよりおぞましい。赤は血の色ですが、作品の世界観とあいまって嫌悪感が先行してしまいます。これは他の色彩についてもいえることでしょう。

しかし、この映画に限って言えばネガティブな評価は褒め言葉です。確かに確信的、もっと言うと耽美的な感じがする。過激な題材をエロティックに、また美人が美しさを重視して映されると耽美的になるんでしょう。この姿勢が一般のホラーやAV、ドキュメンタリーと一線を画すところだと思います。例えば雄二が改造した肉体を見せるシーンは、まさに象徴的ではないでしょうか。上品に、しかし露悪的に・・・ってか。

宮崎ますみはひたすらエロティックですね。自分の肉体を惜しげもなく晒すところがすごい。
彼女は様々な顔を演じてみせます。女、少女、精神病者。少女「っぽい」姿や新人の雄二と話す姿など微妙に違っていて、さすがだな~と思わされます。ランドセルをしょった(!)彼女の「はい!愛は不滅です」には思わず吹いた。というかランドセル姿は無駄にエロすぎるよ。

さて、美津子役。桑名里瑛はまだあどけなく、しかし常に不安をたたえた表情が良く似合う。印象的な子役です。そして高橋真唯。以前は「妖怪大戦争」でナマ足が話題になりました。でも今回といい、変な作品ばかりに出ていて少しかわいそうでもある。ここでは怖いくらい熱演してました。いしだ壱成の動きが初めから巧まれたものっぽくて変。はじめから不思議さを匂わせるような、わざとらしい素振りが面白いです。

でも惜しいことに、映像に不自然な点があるんです。手術や自傷のときの皮膚がぶよぶよしていて本物っぽくない。作り物っぽい。ラストでは剛三の首と体がどうもつながっていないような感じがしてなりません。
また、内容では高橋真唯のシーンだけが、ストーリーに整合しないんです。
美津子は小学生以来既に家にいないし、小百合は死んでもいない。小百合と美津子で剛三と同居しているわけでもない。小百合が家を出て行くときは剛三も一緒だったはずだ。高校までに美津子が一旦戻ってきたとすると、美津子がわざわざ小百合を探し回るはずがない。
だとするとあのシーンは一体誰の夢なのか?

今度は疑問。母と子で眺めるサーカスの夢で、何故二人とも楽しそうなのか。どうやらこの作品では登場人物の「笑い」がキータームとなっている。普通の感覚では笑えない場面ばかりだからでしょう。それは例えば情愛からの笑い、愉悦による笑い、自己満足の笑い、自己没入の笑い。具体的にはサーカスで母子二人で笑う光景が奇妙でもあります。

果たして単なる耽美作品か、母と娘の憐れな狂気の物語か。興味のある方は頑張って観てみてください。
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by murkhasya-garva | 2006-01-12 20:31 | 映画