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by murkhasya-garva
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ロード・オブ・ウォー

「ロード・オブ・ウォー」
b0068787_22492959.jpg非正規のルートで銃を入手し世界各国で売りさばく武器商人の話。実話を基にしている。いわゆる裏社会(?)を舞台にした映画では麻薬王を題材にした「ブロウ」(ジョニー・デップ主演)があります。この類の作品は裏社会ではなくともたくさん出ていますね。「パッチ・アダムス」(ロビン・ウィリアムズ主演)とか。
ニコラス・ケイジ主演。

誰にも平等な死を与える「死の商人」ユーリー・オルロフ。開業当初は見よう見まねで武器業界に乗り込む。いつの間にかフリーランサーとして世界を股にかけていた。しかしそんな武器販売が表立って言えるものではない。インターポールには間一髪でごまかすし、妻にさえ金の出所を明かさず稼ぎ続ける。

自叙伝のような形式で作品が語られる。つまり仕事の内容が倫理上どうであれ淡々と語られ、むしろ本人の気持ちに焦点が置かれたりする。そのため、取りようによっては銃を身近に感じたという人もいるだろうし、武器商人としての彼の人生に悲劇を見た人もいるだろう。もちろん、ラストは後者に主眼が置かれているので、結果的には戦争批判と理解すべきか。

印象的な場面の多い作品でした。実話を基にしているせいか、話の筋に妙に説得力がある。人から見たら並々ならぬ実力や財力の持ち主なのに、完全どころか必ず綻びがある。レンタルした飛行機に名前だけ書かせて自家用機に見せるとか、金に物を言わせて何とかしようとする”あがき方”がとてもリアル。

最近は反戦をうたった映画が多く出ている。その中の1作品として数えることもできるけど、他の作品と違うのは、何よりも切り口の新鮮さだ。兵士や国民、政治家ではなく、武器商人という存在。個人レベルである意味最も戦争に密接に関わる者。戦争は「ビジネス」であり、ビジネスがなければ彼らの仕事は成立しない。「言葉通り戦争しろよな」。戦争というものの側面があぶりだされる。

麻痺した感覚で落ちるところまで落ちた時、見えるものがある。離れてゆく家族や身内の死がそれだ。価値観はもう決してかみ合うことがない。今いる場所から足を洗うことすら許されない。
「地獄に堕ちろ。 もう堕ちてるか」
誰の救いもなく、ただ人の苦しみの道を歩むことを宿命付けられた人間には、この現実が既に「地獄」なのだ。地獄の使者となったオルロフの台詞は一つ一つに説得力がある。

そこらの戦争映画よりよほど説得力のある作品かと。人によって様々なメッセージを受け取ることが出来るだろうし。何よりヘタに人道主義を高らかに謳っていないのがミソです。自信を持ってオススメできる映画。
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by murkhasya-garva | 2006-01-10 18:27 | 映画