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by murkhasya-garva
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奇談

「奇談」
b0068787_22574514.jpg主演は阿部寛と藤澤恵麻。といったら視聴者は増えるだろうか。実力があり、そしてカルト作品によく出演する阿部寛がここでも主人公、妖怪ハンターこと稗田礼二郎を演じる。別に髪は長くなくても沢田研二に似てなくても胡散臭さが十分香ってくるのが彼のいいところ。藤澤恵麻といえば前の連続テレビ小説「天花」に出てた。演技は上手くなっているかな?

この映画を観た後で原作の「妖怪ハンター」を読んでみた。諸星大二郎のマンガは絵柄がすごい昔風というか特徴的で、内容も奇抜。この映画の原作となった「生命の木」も不思議な感じがする。ただ、ハナレの子孫は知恵を持たない、という設定はある意味危険な香り。よく映画化しようと思い立ったものだ。

今回は映画が原作を‘ほぼ完全以上’に再現している、という印象を受けました。驚かしたりしてドキーッとするのではなく、不安感の一歩手前の怖さを始終感じます。ビジュアルの壮絶さは見るものを圧倒します。死んだ善次の崩れ具合がなかなかえぐい。ホラーって感じ。ラストの「おらといっしょに、ぱらいそさいぐだー!!」や「いんへるの」の蠢く群集は圧巻、その飛び立つさまはカタルシスでもあります。

また、世界観の忠実な再現にも成功しています。ハナレの唱え念仏の映像記録といわれるものが何とも異様な感じをかもし出しています。不明瞭なモノクロ映像に不明瞭な音声。アップにすると村人のうつろな視線が…!!薄気味悪いですね。

村の神父が清水紘治。ハナレの住人が信仰する教派を異端とし、激しく拒み、うろたえる姿が良いです。マンガの紳士ぶった神父もいいけどこれくらい慌てられると作品によくハマります。

ただ、惜しむらくはストーリーの完成度でしょうか。映画では原作の「生命の木」と、もう一つ神隠しのネタを併せて仕込んでいます。ちすんの静江役や、草村礼子のお妙ばあ様役も世界観を崩すことはなかったんですが、なぜ神隠しが起こったのか?とかなぜ神隠しにあった子供達は帰ってこれたのか?がどうもはっきりしない。座敷奥で静江がピアノ弾いてるのもどうかとは思ったが。

個人的に大好きな世界観が繰り広げられます。考古学者が主人公の伝奇ホラー。薄気味悪いものが解けないままで終わる作品なんてそうそうありません。現代の学問でも理解できない世界が「存在する。」というだけでゾッとしませんか?
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by murkhasya-garva | 2006-01-10 01:23 | 映画