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by murkhasya-garva
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デーモンラヴァー

明けましておめでとうございます。ッて遅いですね。
昨年は「くどい」と知人の知人から言われました。今年は簡潔かつ的確に感想を書いていこうと思います。それで一週間以上遅れた上にこんな作品からでアレですが、今年も呆れずに読んでやってください。

「デーモンラヴァー」
デーモンラヴァー_b0068787_1653952.jpg
初めて観にいったときは何のことか分からなかった。それでもインパクトがあって気味の悪い作品だったから、もう一回観ようと思っていた作品。コニー・ニールセン、クロエ・セヴィニー、大森南朋出演。R―18指定。


ディアーヌはマンガトロニクス社のスパイとしてヴォルフ社に送られてきた。デーモンラヴァー社との契約を阻止すべく暗躍するが、陥れた相手から報復の手が伸びる。反抗するすべもなく、闇に飲まれていく彼女は…

一言で言うと、大人の世界をナメたらいけませんよ、と(?)。どうだろう。今まで出し抜いてきた(と思っていた)相手に、行動が全部筒抜けだったとしたら?しかも相手が逆に自分を貶めようとしていたら?

なぜR-18指定なのか。それは過激な表現があるからではない。それこそ性描写を濃くしようと思えばできるだろうし、暴力シーンを増やすことだって容易にできたはずだ。それらがないのに年齢制限がかけられるのは、作中で用いられている題材自体、つまり青年向けアニメや扱われるウェブページに年齢制限があるからだろう。

身近に潜む犯罪をほのめかすこの作品は、そのテーマのためか自ずとトーンを暗くせざるをえない。主題に関わらずとも、その暗さは同じである。ディアーヌは雨空を見つめて何とも哀しげな表情をするし、エリーゼは光のない眼で虚空を見据える。
それぞれの俳優は、その雰囲気が上手く表現できているようで、適役、という感じ。

しかしこの作品、感情移入が難しい。当の主人公であるディアーヌの感情が読みにくく、距離を置いて描写されているように思う。彼女の翻弄される姿は遠ざかり、挙句の果てにデーモンラヴァーの道具となってしまう。ラストを見てもらえば分かるが、完全にディアーヌと視聴者さえもが切り離されてしまうのである。

さらにはそれぞれの映像に必然性がない。どこまで削っても内容は理解できそうな感じがして少し冗長かもしれない。もし必然性があるというならそれは、得体の知れない暗さや不気味さを作り上げるために配されただけだとしか言えないのではないか。

いろんな意味で後味の悪い作品。キワモノ作品です。インパクトはあるんだけどなー。
by murkhasya-garva | 2006-01-08 16:59 | 映画