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by murkhasya-garva
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ウィークエンド

「ウィークエンド」
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ゴダール作品で観たまんまの感想を書いてみよう第2弾。前回が観やすさで印象的だとするなら、これは表面的な奇矯さがとても印象的な作品です。本編に入る前に「宇宙をさまよっていた映画」「鉄クズから見つかった映画」とテロップがでる。自虐なのか?
作中でタネを明かしているように、この作品は現今の映画事情について描かれたものだと分かります。もっとも後半は歴史批判に移っているようですが。



一つ一つのエピソードが単調に延々と流れます。内容は様々なものがあるため、そのテンポに慣れたら大丈夫だろうけど、何を言っているのか分からないまま観ていたら確実に寝てしまいそうな気がします。出来ればこれは2度3度と回数を重ねて観ないと全体の正確な把握は出来ないんじゃないでしょうか。というのも、台詞の量が圧倒的に多い。しかもその台詞が「思想を語る」ものだから逐一覚えるのは到底無理というものです。とはいえ前半は映画批判のようなので、そこまで観るのは苦しくないかもしれません。

映画について語るくらいだから、それぞれのシーンに意味があるんだろう、そう思って観ると想像も膨らんできます。ベランダから淡々と自動車をめぐるトラブルを映す、薄闇のなかで女が淫猥なエピソードを男に独白する、何キロにもわたる渋滞を最後列からゆっくりと撮っていく、自称神にカージャックされる、童話のキャラクターらしき人物をなぶる、ゴミ収集車の男たちが交互に延々と思想を語る。恐らくそれぞれが今までの映画をさらに戯画化しているのでしょう。つまり、ドキュメンタリーや官能映画、プロパガンダ作品、現代の映画手法の行き詰まり、古典作品との葛藤、そして哲学や思想を主張するための映画の提起へと移っていくわけなのだろう。

車で出かける2人の夫婦はゴダールたちなんだろう。その道行で人々に何かとケチをつけているのがどうやら主張っぽいですね。というか主張にもなっていないのもありますが。おおよそ概観していたり、せめぎ合ったりして、これがゴダールたちの取ってきた姿勢なのか、とか想像します。

後半のシーンは歴史批判のようです。今風の服装をした若者がゲリラ戦線に立ち、敵(?)と戦う。もちろん象徴的で、いくつかの内容が含まれているんでしょう。夫婦も巻き込まれますが、どういう風に彼らは位置づけられるんでしょうか。捕まって仲間になる、ということは賛同者になるということなのか?

まあ同じことを言うようですが、全体的に細かい解釈をしないとゴダール作品は理解できないんじゃないでしょうか。近くで見ていた大学生らしき2人も、「・・・だからゴダール作品のラスト10分を観て全体が理解できる、というのはあり得ないと思うんだけど・・・」というようなことを言っていましたが、確かにそうだと思います。これはまさに、ラスト10分では分かりそうにない作品。
エンターテインメントとしての作品ではないことを断っておきますが、それ以上に「観る」ことに努力を強いる作品だと思います。
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by murkhasya-garva | 2005-12-15 15:36 | 映画