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by murkhasya-garva
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ミリオンズ

「ミリオンズ」
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ダニー・ボイル監督作品。「トレインスポッティング」「28日後・・・」を手がけた監督が今度は「子供に胸を張って見せられる映画を作りたかった」と、心温まる、夢のような映画を作り上げた。




ダミアンとアンソニーは母を亡くし、父と共に引っ越してきた。兄のアンソニーは頭がよく切れ者で弟の面倒をよく見、弟のダミアンは心優しく、聖者を好み、彼らの幻影を時折見ることがある。はじめ学校になかなか馴染めないでいた彼らのもとに、突然何百万ポンドもの大金が降ってきた。さてこの大金をどうする?

ボイル監督の「子供に胸を張って見せられる映画」という言葉は過言ではないな、と思いました。子供たちがよく抱く夢――大金を持つこと。喜んで施しを与える弟、欲得ずくで動こうとする兄という図式は考えれば聖書のカインとアベル(だったっけ?)を象徴しているんだろう。だからといって説教くさくなるわけでもなく、話がシリアスになりすぎることもない。あくまで現代の子供たちの夢、という視点を大切に作られたように思います。

そりゃダミアンの妄想癖や超切れ者のアンソニーなんているわけないし、リアルじゃないんですが、登場人物がいそうかどうかということに現実味を求めているわけじゃないのはもちろん分かるでしょう。もし、ああだったらこうする、という空想を突き詰めた結果、出来たのがこの「ミリオンズ」という寓話だったと考えるのが妥当じゃないでしょうか。
そのための人物設定も準備周到。ダミアンは見るからに純真な少年。貧しい人に喜んでお金を与え、聖者とよく話をする。
「あ、聖ヨセフだ、BC・年生まれ、没年不詳!」そんなわざわざ言わんでもいいがな。

お金をめぐって変化する家族。父親に知られることで話はよりややこしくなります。子供の夢は一気に現実に引きずり下ろされ、子供と大人の対立図式が現れます。それまでダミアンとアンソニーという、言ってしまえば信仰と知能の対立だけでしたが、絶対的な差のある力を振りかざし、愚かで(浅はかで)ある意味最も現実的な方法を取る大人との、夢と現実の対立が出てくるわけです。しかも裏大人バージョンの泥棒もでてきて、今度は表vs裏?! でも彼にお金を返すのが話が早いと思うんですが。ある意味持ち主だし。

最後にダミアンが取る選択は、なるほど!という感じです。最も円満に解決できる方法じゃないか。その正しい選択をした彼には、神様からのごほうびが・・・。
ここまできて、本当に泣きそうになってました。何が泣きのツボに入ったのか分からないんだけど、この純真な少年が得たものを考えると、感動して感動してしょうがないんですね。帰る途中も思い出しながら泣きそうでした。今考えただけでも胸が一杯になります。おいおい…。

童話、寓話といった類のストーリーになるので人によっては味気ないものに感じるかもしれません。それに、この作品自体キリスト教圏の家族向け作品と考えたほうがいいようで。そういうのでも構わなければぜひ観にいってください。感動して胸が詰まりそうになるかもしれません。そうそうないだろうけど。
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by murkhasya-garva | 2005-12-08 16:54 | 映画