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by murkhasya-garva
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チャーリーとチョコレート工場

「チャーリーとチョコレート工場」
チャーリーとチョコレート工場_b0068787_23513463.jpgティム・バートン、ジョニー・デップ共同製作、「コープス・ブライド」とほぼ同時期に上映。元ネタは「フォービデン・ゾーン」だそうで、実際にいくつか類似点が確認できるのが楽しいです。ハチャメチャ度では「フォービデン・ゾーン」のほうが上だと思う。あれはハチャメチャ過ぎて一押し!!の作品ですが。


チャーリーは、町外れのとても貧しい家庭の少年。ある日、金のチケットが当たった5人をウォンカのチョコレート工場に招待する、と言う話が飛び込む。幸運にもチケットを当てたチャーリー。世界各国からチケットを当てた子達とともに、ウィリー・ウォンカに工場を案内される・・・。

基本的には子供向けの作品のはずです。主人公は小学生相当の少年。ストーリーもお伽話仕立てで、分かりやすいし細かい設定は軽くすっ飛ばしている。最後にはハッピーエンドで、ちょっと教訓めいた心温まる作品。なんですが。
ブラックユーモア多いです。多すぎて、子供向けの作品のはずが結局大人向けになっちまった作品。実際に小学生に見せたら何と言うだろう。

ウィリー・ウォンカは別に子供好きじゃない。というか人間嫌いかもしれない。ムカつく他の子供たちにひどいこと言い返したり、子供たちの予想しない行動にビクったり。かなりのマイペースだし、いつまでも夢を追っていたり、親嫌いだったり。子供の心のまま大きくなってしまった大人という感じ。そんな変人をジョニー・デップが演じきってます。うまいよな。
他の役者もいい。チャーリーはちょい貧相な顔だけど、いい表情するんです。適役です。

作品全体に独特の雰囲気があって結構目を引きます。元ネタの「フォービデン・ゾーン」よろしく、彩色がサイケデリック。外の冬の世界とは全く無縁です。「コープス・ブライド」の、生者のモノクロの世界と死者のカラフル世界の対象性と酷似していますね。

この作品から観客を飽きさせなくしているのは、彩色だけではありません。作品内の設定の奇抜さというんでしょうか。本当にアイデア満載です。
例えば牛にムチくれて「ホイップ(Whip)・クリーム」とか、クルミの殻をわざわざリスに剥かせるとか。ウンパ・ルンパは子供がトラブルに巻き込まれる度に大勢で踊る。別に助けるわけじゃなし、むしろお仕置きの手伝いみたいなことも・・・。
基本的に「ありえない!」ことが出てきます。もうね、あまりにもバカバカしくて、飽きる前に失笑ものですわ。そういうノリが好きな人にも好印象でしょう。

テーマは分かりやすく「家族愛」なんですが、ちょっとベタベタ感が抵抗を受けます(多分狙ってる)。評価は高いと思いますが、多少の好き嫌いがありそうです。小ネタのブラックさにどんな印象を持たれるのかが分かれどころではないでしょうか。
一般的な評価だったら「コープス・ブライド」、でも趣味で言ったら「チャーリーとチョコレート工場」がオススメ!です。バカバカしいけど心温まる作品、いかがでしょうか?
by murkhasya-garva | 2005-11-28 23:52 | 映画