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by murkhasya-garva
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埋もれ木

「埋もれ木」
b0068787_22295679.jpgこういう類の映画って本当に上映期間が短いんですよね。流行とは一線を画したところにある作品。流行のアクションで目を引くのでも、鳴り物入りで封切されるのでもない。しかし、そのどれも映画の良し悪しを決めるものではありません。
その上で、とても良い作品でした。もちろん、映画の知識なんて高が知れてるので、どこがどうだと言えないのですが、とにかくこの映画の持つ独特の空気はとても印象に残ったんです。

小さな町に住む高校生のまち(夏蓮)は、友達とリレーで物語を作ることを思い立つ。ゆるやかに虚実が溶け合うなか、ある日埋没林が発見された。・・・

あらすじとしてはこれくらいなものです。緻密なストーリー設定と言うより、この映画は登場人物たちの少しずつのエピソードが積み重ねられてゆき、それによって世界全体が構成されているような感じです。
それぞれのエピソードも丁寧。話を紡ぐ3人の女子高生、自分の老いを嘆く老婆、ホウボウを眺める魚屋、別居した母といさかう少年、鯨を描いたトラックを追うまち、そして夜空に昇る赤馬の気球…。時折混ぜられる幻想的な映像で美しさが引き立ちます。ラストに流れる音楽でもぐっと締めが効いてます。

3人の少女が人工的な空を仰ぎ、屋上で物語を紡ぐシーンを見ててふと思ったんですが、普段の舞台を2次元とすると、これは3次元の空間映像を必要とする演劇なんじゃないでしょうか。映画というより演劇。
確かに俳優も台詞が常に大きく、はっきりで、そしてゆっくりで優しい。それでも違和感がないんだよな。ゆっくり優しく話す、というのは、温かく、ゆったりとした流れに身をゆだねているような、薄い毛布にくるまれているような雰囲気を感じるようでもある。
全体的に雰囲気を統一させているから、普段は危うくなってしまう子役も違和感が抑えられますね。浅野忠信はまた少しキャラが変わって登場していました。田中裕子や岸辺一徳はこの作品に適役でしょう。新人もいい味出してました。

普段目にするようなメジャー配給の映画と違い、ことさらに客の興味を引くような作りをしているわけではありません。しかし観るだけの価値はあります。
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by murkhasya-garva | 2005-10-16 22:34 | 映画