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by murkhasya-garva
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妖怪大戦争

「妖怪大戦争」
妖怪大戦争_b0068787_2152638.jpg
シネコンの上映最終日に観にいった作品。なかなか観にいく気が起こらなかったんです。お粗末なの見せられたら萎えますからね。
約20年くらい前に(そんなに昔?)ゲゲゲの鬼太郎の実写版があり、当時の本にはガキの自分もがっかりするようなキャラが載っていました。こんななら見ない、と実写版に怒ってました。
駄作だったらどうしよう・・・心配で観にいきたくなかった、と言うのが正直なところですが、吉田戦車のレビュー(ビッグコミックスペリオール)他複数の映画評でもおおむね好評。まあ、観ときますか!!

観にいってよかった。
映像技術の向上はしっかりと妖怪映画に貢献しています。妖怪たちが当然のごとく初めから沢山出てくるし、こなれたストーリーは観客をいい感じで脱力させてくれます。対象年齢も低めにしているのでしょう。見てて悪趣味な怖さが少しもない。むしろ笑えてくる。
監督は三池崇史。極道ものが半数を占めている割には、有名な作品も撮っています。「中国の鳥人」「ゼブラーマン」「着信アリ」とか。「着信アリ」はド駄作だったけどね(ストーリーが酷いんだろうけど)。

主演は天才子役と言われる神木隆之介くん。明らかにほかの脇役子役とは違う。表情、パフォーマンスの豊かさが図抜けている。観ていてヒヤヒヤしない子役は貴重ですね。
妖怪のキャストもすごい。
豊川悦司の魔人・加藤保憲、栗山千明のアギ、忌野清志郎のぬらりひょん、竹中直人の油すまし、岡村隆志の小豆とぎ、阿部サダヲの川太郎、豆腐小僧の蛍原徹、高橋真唯の川姫などなど・・・。普段のキャラと違って誰かわからなかったのも多かった。それだけ雰囲気が違うんだよ。
俳優なしの妖怪もいい。初めに出る牛の嬰児、くだん。きもくていい。キューキュー言うすねこすり。ゆうきまさみ「鉄腕バーディ」のハムスター型宇宙人・リクルス人みたい。

それぞれのキャストの演技を見るというだけでも価値があります。あんな雰囲気はそう出るものではない。川太郎のギリギリのボケ。「お前最近鬼太郎にはいい顔しとるそうやないか~!」は笑った。川姫の不必要なまでの艶かしさも。高橋真唯の太ももを神木くんではなく宮迫博之がなでてたら即アウトです。
面白いシーンは多数、挙げればきりがありません。それだけ芸が細かい。この映画のいいところです。

キャストの熱演もさながら、ストーリーがとても好感が持てます。水木しげる独特の、いいところで張り詰めた気を抜く点が全体を支えています。ラストの加藤のやられ方は、普通の映画だったら許されませんよね。それにタイトルの割に、「妖怪大戦争」だと言っているのは宮迫博之ふんする佐田だけですし。大風呂敷を広げるだけ広げて、そのまとめ方も良く心得ておられる。
ベタベタな方向に流れるのを巧みにかわし、ずっこけさせるというか。ひたすら愛・夢・友情を語るのを良しとする作品は反省したほうがいいですねー。

少し褒めすぎかな。いや予想外に良かったからな。自信を持ってオススメします。
by murkhasya-garva | 2005-10-09 22:01 | 映画