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by murkhasya-garva
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ケス KES

次は「恋する神父」の後に観たもの。

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「ケス」
1969年にイギリスのTV演出家、ケン・ローチが作った作品。当時は「少年と鷹」というタイトルでTV放映されたのみだが、1996年に劇場で初公開されたものだそうです。



ケスとは主人公の少年ビリーが飼った鷹の名前。ビリーは貧しい家庭環境で育ち、学校でもいい扱いを受けない。そんな少年はハヤブサの巣を見つけ、雛を育てようとする・・・

主人公のデイヴィッド・ブラッドリーがいい役してます。こんな子役もいたもんだ。作品中の雰囲気を出すのに一役買ってます。遠くを見るようなまなざし、やせた体躯、額の深い皺…

特に西欧の映画は過去のものに多いんですが、何というか、詩のような雰囲気があります。それは、最近の映画にありがちな、ダイナミックなアクションや場面転換、奇をてらうストーリー回しとは一線を画したものです。むしろ作品の中で一貫して何かを伝えよう、とすることに集中していて、他の要素にテーマがかすんでしまうこともないようです。

この作品は英国映画協会が「14歳までに見ておきたい映画」に選出してます。(元ネタ)やはり少年のうちに何かを感じ取って欲しい、という意図で選んだのかもしれません。
他に選出された作品は、最近のもので言えば「千と千尋の神隠し」「ET」「トイ・ストーリー」などが有名ですね。感動する作品、見ていて元気になる作品が並ぶ中でこの作品が入るのはなぜでしょう。

あまりにあっけない幕切れ、放って置かれたような気にすらなるエンディングは、決して上に挙げた作品のように、感動させようというのが本来の目的ではないように思います。
労働者階級のお世辞にも恵まれたとはいえない少年が日々の生活に押されながらも、唯一の没頭できることに自分の“生きがい”みたいなものを感じる姿を克明に描き出すのですが、それはあまりに現実的な深刻さを持ち、少年の哀しみが淡々と感じられてくるのです。
数多くの映画の中でこれがその一本に選ばれた理由も何となく分かるような気がします。でもこれは年を取ってから観てみるのもまた、感慨深いものがあるんじゃないかと。

こう書いてしまうと、ひたすら暗い作品のように思われそうですが、体育の授業のサッカーのシーンはユニークでもあります。
最近の映画に疲れた方はこんなのを見てみるのもいいかな、と。
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by murkhasya-garva | 2005-08-26 02:15 | 映画