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by murkhasya-garva
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アイランド

アイランド_b0068787_263299.jpg「アイランド」

今回は突っ込みどころ満載なんで微妙なネタバレがかなり出ます。あしからず。
いやいつものことか。




一言で言うと、クローン人間の脱出劇、なわけです。
SFや、近未来を舞台にした作品は数多くあります。
例えば「JM」「フィフス・エレメント」「ザ・セル」「ガタカ」「AI」「マイノリティ・レポート」etc...
古典的なのはほとんど観ていないし、最近のも偏ってるのであれですが、比較的分かりやすいストーリーはそれなりに好感が持てました。
なんたって予告編から主人公がクローンだってバラしてるからね!!

キャストは、「スターウォーズ エピソード1~3」にオビ・ワン=ケノービとして出演するユアン・マクレガー。そして「ロスト・イン・トランスレーション」「真珠の耳飾の少女」に出ていたスカーレット・ヨハンソン。独特の雰囲気が好き。どちらも彼女の魅力が出ていていいですね~

遺伝子工学が発達してきて、人間のクローンが倫理的にどうだのいう話が持ち上がるようになって久しいですね。以前「Xファイル」でしつこいほどやっていたような気がします。
今回は、保険会社で高額の値段を支払ってストックされている各個人の代替物、つまりクローンの話なわけです。前半で明かされるクローンの真実、みたいなのが面白いです。
なんかトンデモっぽくて。アメリカンゴシップが喜んで取り上げそうなネタに似ているような。

SFサスペンスのように、衝撃の真実が!という展開よりもむしろ、与えられた舞台をもとに有り得る展開をしつこくシミュレートしている感じです。まだこんなネタが残ってんのかよ!?みたいな。「亡国のイージス」のそれとは違って、あまり必然性を感じないのが難点。
それに、心なしか製作者側も、いろんなサブ要素を見せようとしてるようでした。

例えば、大きなスクリーンにデータを手動で操作しているとこなんて、「マイノリティ・リポート」だよな~、と。後半の追跡劇を取ってもやっぱり。リスペクトとかいうやつですか?他にも何かのオマージュやってそうな気がする。
これは近未来のシミュレーションであると同時に、差別問題を取り上げてもいます。最後のシーン、セキュリティ会社の黒人の笑顔が良かった。
また「もう1人の自分」という意味では心理学のにおいもする。あの展開は象徴的でしょう。

他にも、セックスを知らない二人が夢中になるキス、これは最近みた映画の中でもっとも官能的ではないでしょうか。直接的な表現を避けることで逆に、よりエロティシズムを感じます。
間接的表現で魅せるといったら、「Shall we dance?」(洋画版)の暗闇のダンスシーンも、同じようにとても官能的という言葉が似合います。

最後のシーンで、建物の中に光が射すところ。
タルコフスキーの言う映像言語が何を意味しているのか分からなかったけど、こういうことなんでしょうか。光はそのまま「自由」を象徴する。けど自由の扉に向かって、みな半ば本能的に走り出すシーンなんてメッセージ色強すぎだよな。

追跡劇が何でしつこい位に長いのかとか、あんなに破壊シーン要らないよね、とか言いたいことは多分まだ山ほどあるけど、基本的にいろんな面から色々話せるという意味では面白い映画だと思います。見たい人は見れ。話題に事欠かないから。
by murkhasya-garva | 2005-08-05 02:10 | 映画