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by murkhasya-garva
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アルジェント魔女3部作の前2作

『サスペリア』(1977)
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『サスペリア・テルザ』が公開されている。京都みなみ会館でも先週木曜から1週間のみの上映だ。前作って?とか言う私は『サスペリア』『インフェルノ』を借りて鑑賞。
しっかし・・・・。








第1作はまだ面白かった。ゴシックな建物に潜む魔女の存在。その得体の知れなさが各場面で予感され、背後で激しく流れるBGMのおかげで少し気分まで悪くなってくる。突然食料にウジがわいたり、盲導犬が人を襲ったり、召使いの女がこちらを凝視していたりと薄気味が悪い。そしてついには魔女の真相に立ち会うのだけど、あまりにあっさりし過ぎて何だか期待と違う。それに主人公スージー(ジェシカ・ハーパー)の刃物での一刺しで魔女が死ぬってどういうことなのか。魔女という設定を全然料理しようとしていない。その代りに(当時)残酷な(と思われていた)方法で次々に人が死ぬ。節操がない。しかもショッキングと言うより、その緩慢さはゴシック調に近い。別に美しくもないから中途半端な感じだ。

でもそのゴシック的なもののために、この危険さが不穏さと入り混じる雰囲気も悪くないと思えて、ラストもそれなりに余韻があるように感じられたのだ。ついでに言うと、この不穏さは登場人物の配置にも関係ある。つまり盲目のピアニスト、外国の醜い下男、無表情の下女、あと動物。彼らが登場する必然性は、実はない。彼らがわざわざ取って付けたように怪しげな役どころを演じることで、差別的な見方が逆に監督の「ホラーを作ろうとする意図」を感じさせて、こわい。これは『サスペリア・テルザ』の公式HPから得た印象と似ている。


第2作は正直言って何と言うべきか分からなかった。本当に困ってしまった。
『インフェルノ』(1980)
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魔女という恐ろしい存在を語る第2の作品、場面も変わって新たな恐怖が語られるのか、『三母神』という怪しげな本がいたるところで現れ、それに関わった人々が次々と死んでいく。しかも前作と類似したカットも多用され、語られることのなかったエピソードが明らかになるかもしれない。・・・私の単なる思いすごしでした(泣)






とにかく殺人シーンが不自然なくらい多い。いや、ゴアやキウィほどではないんだけど主要と思われた登場人物がバスバス死んでいく。一番ひどいのは骨董品店のカザニアン(サッシャ・ピトエフ)で、魔女のアジトである建物に出入りしている猫を袋詰めにして沼に沈めようとするとき、自分もぬかるみにはまってしまう。そこに棲むネズミにたかられ、悲鳴を上げる彼の声を聞きつけた店の男がやってきた。助けてくれると思いきや、彼はもっていた包丁で彼の喉をバツリ。意味が分からない。すべてが魔女の仕業だったのだ、ではあまりに舌足らず過ぎる。

そして最後の魔女との出会い、こちらも炎に巻かれて死神が断末魔を上げているじゃないか。一つの歴史を作った魔女の最期がこれなのか、と思うと逆に泣けてくる。もちろん、呪いの言葉を吐いたのかも知れないし、真偽は定かでないのだが。

背景にさまざまな設定があると考えても、この作品はあまりにお粗末すぎる。深くもないし、怖くもない。肯定的に言うならば、「ああ、こういう作品が恐れられる時代もあったのだなあ」というくらいだろうか。こんな伏線だか本線だか分からないようなシーンを詰め込まれて、こちらは理解しようにもしようがない。まさかこれをかつてのアメリカの配給会社のように「難解だ」などとは言うまい。ここで観客の予想する世界観は、憶測と予断によるものでしかない。よって私はこの2作品に関して考えることをやめよう。そして、『サスペリア・テルザ』がまだ幾分か面白いだろうことを祈ることにしよう。
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by murkhasya-garva | 2009-07-12 01:11 | 映画